平成バブル時には、不動産投資に関してこんなすごろくがあった。バブルはまずは東京で発生する。東京はなんといっても日本の中心。ここの土地を押さえれば勝ったも同然。しかしライバルが増えてくると価格は沸騰し、なかなか思ったような条件では買えなくなる。そこで、投資マネーは大阪や名古屋といった日本を代表する大都市の不動産を押さえにかかる。やがて大阪や名古屋もバブルの匂いがプンプンしだす。

 この競争から逃れたマネーはさらに札幌や仙台、広島や福岡といった地方の代表的な都市に飛び火する。こうしてバブルは日本国内を燎原の火のように燃え広がっていき、最後に行きつくのが北海道や沖縄などのリゾート地。

平成バブル「不動産投資すごろく」の3ステップ

 当時宮崎にできたシーガイアや北海道のトマムにできたリゾート施設などはバブル崩壊後に経営難に陥り、これらの施設はバブル時代が残した「負の遺産」などと呼ばれた。

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宮崎のシーガイアで2007年に閉鎖された世界最大級の全天候型屋内プール「オーシャンドーム」 ©時事通信社

 つまりバブルは東京で発生するのが第1ステップ、大阪、名古屋に飛び火するのが第2ステップ、札幌、仙台、広島、福岡といった地方中核都市に移るのが第3ステップ。そして最終ステップとして全国各地のリゾート地に伝染して終わるというのが、「不動産投資すごろく」というものだった。いわば日本のリゾート地は「バブル紳士の墓場」ともいわれる夢の残骸が多く残されてきたのだ。

「地方リゾート地」に向かう投資マネー

 さて現在はどうだろうか。不動産投資マネーはすごろくの盤面をなぞるように、東京から大阪、名古屋に飛び、さらに札幌、仙台、広島、福岡へと広がっている。そして、最近はやはりこの流れがリゾート地にも及び始めてきた。

 三井不動産は三重県志摩市のネムホテル&リゾートに超高級リゾートの代名詞アマンを誘致。「アマネム」の名称のもとで本格的なリゾートの展開を始めた。

 沖縄県国頭郡恩納村にはハイアットリージェンシーが初めて日本で展開するビーチリゾートが2018年にオープンを予定。同じエリアでは森トラストが瀬底島の西端に、ヒルトン・グランド・バケーションズが展開するタイムシェアリゾートとヒルトンが運営するリゾートホテルの2棟を2020年に開業する予定となっている。