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「名前を決めるのは親だけど、その人生を歩むのは子ども」キラキラネーム「王子様」から改名した男性(21)が、親の“名付け”に思うこと

赤池肇さんインタビュー#2

note

時代に応じて名前を変えるのもありなのかも

ーー改名しない限り一生同じ名前を背負っていくから、親にはそこまで見越して名付けてほしいということですか。

赤池 そうですね。ただ、最近だとネット上の名前をそれぞれ決められるじゃないですか。例えばTwitterでは「あか」と名乗って、ゲームのアカウントでは「いけ」、Instagramでは「はじ」とか。もちろん大事な場面では本名を出さないといけないこともありますが、名前がどうしても嫌だという人にはそういう方法もあるのかなと思いますね。

 それにこれは実現不可能だと思いますが、ずっと同じ名前じゃなくてもいいのかなと思っていて。例えば、昔だと織田信長は幼名の「吉法師」から「織田上総介信長」「尾張守信長」と官位の上昇とともに自分の名前も変えていますよね。そういう時代もありかなって。

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赤池肇さん 撮影時期は2020年3月 ©読売新聞社

 名前の流行りも時代によって変わるし、小野妹子のように昔だったら男性に使われていた「◯子」が今は女性に使われている。今後はジェンダー的な観点からはっきりと男女の区別がわかる名前も少なくなっていくかもしれない。そういう意味では時代に応じて名前を変えるというのもありなのかもしれないですね。

正当な理由があれば、改名する権利は誰にでもある

ーー最後に改名を考えている方に何かメッセージをお願いします。

赤池 改名は案外簡単にできます。費用もそんなにかかりません。単に自分の名前が気に入らないという理由であれば別ですが、変わった名前で苦しんでいたり、読み方を何度も間違われて大変など、第三者が納得できる理由があれば基本的には受理されると思います。

 そういう人には僕みたいに1人で名前を変えることができるんだよ、と伝えたいですね。名前でからかわれるとか、嫌な思いをしてしまって悩んでいる人も結構いると思うので。親からもらった名前だけど、親の名前ではないので、正当な理由があれば自分で改名する権利は誰にでもあります。悩んでいる方は改名という選択肢も考えてみてください。

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読売新聞社会部「あれから」取材

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