ヒールを合わせて時には220cmに迫る長身と現実離れした美しさで人々を魅了するドラァグクイーンのセレスティア・グロウンさん(27)。
小学5年生で気がついた「男性も好き」という気持ちを隠しながら青春時代を過ごし、大学2年生でできた2人目に彼女に初めてのカミングアウト。しかし大きな秘密を共有したことで2人の関係は破綻に向かった。
ゲイとして生きることを選んだセレスティアさんは、どのようにしてドラァグクイーンという天職にたどりついたのか。そして「母親へのカミングアウト」の結末は――。(全3回のうちの2回)
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――大学時代にできた2人目の彼女と別れたことで、セレスティアさんの人生は大きく変わりましたか?
セレスティア 女性と付き合うのを止める決断をしたので、大きな転機だったと思います。ただゲイとして生きていくことを決めたもののどうすればいいかわからず、ネットで情報を集める日々だったんですが、大学3年生くらいの時に「身長が高い人にフォーカスしたゲイイベント」が大阪であると知って、初めて参加しました。
――セレスティアさんのためにあるようなイベントですね(笑)。
セレスティア たしかにそのイベントでも私が一番大きかったです(笑)。高校に入った時が178cmで、大学に入る頃は192cmくらいになっていましたからね。でもこの身長はずっとコンプレックスだったんですよ。
「ゲイであることを隠さなくていいのは最高の気分でした」
――身長が高い人には高い人の悩みがあると聞きます。
セレスティア どこで何をしていても注目されるのがすごく嫌でした。知らない人にも「何センチあるの?」って聞かれるし、「あのお店でバイトしてる子だよね?」とか、悪意がないのはわかっているんですが常に誰かに見られているような気がしてすごく息苦しかったんです。
――確かにセレスティアさんだと一目でわかってしまいますもんね……。
セレスティア 大阪のゲイイベントではこの身長に感謝しましたけどね(笑)。ただそれ以上に、ゲイであることを隠さなくていいのは最高の気分でした。初対面の人しかいないのにすぐに打ち解けられたし、話も弾みました。自然とゲイの友達と遊ぶことが多くなって、平日は大学に通って週末はクラブで朝まで遊ぶようになりました。大学へは実家から通っていて頻繁に外泊するタイプでもなかったので、親にはびっくりされましたが。