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――息子がグレたのでは、と。

セレスティア そんな感じだと思います(笑)。あとは急に朝帰りが増えた私を見て「彼女か?」と聞かれることも多かったんです。「ちょっと友達と遊びに行くだけや」なんてごまかすんですが、ずっと嘘をついている感じが心に引っかかっていました。

――確かに、行き先や友人のことを家では話せないわけですもんね。

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セレスティア 昭和タイプでオネエタレントに顔をしかめていた父親はともかく、母親になら自分がゲイだということを伝えても受け止めてもらえるのではないか、と思いはじめたのもその頃でした。大学4年生になって就職活動も終わり、卒業したら実家を離れて関東へ引っ越すことも決まり、「隠し事をしたまま家を出たくない」という思いが大きくなっていたんです。

 

――就職が1つのきっかけだったんですね。

セレスティア 受け入れてもらえなくても家を離れれば大丈夫、という打算も正直ありましたけどね(笑)。母親と2人でご飯を食べていて遊びに行く予定の話をしていた時に「彼女と?」と聞かれたので、ここだなと思って「実はこういう友達がいて」と友人たちの写真を見せながら切り出しました。「この子たちはみんなゲイで、嘘をついたまま家を出るのも嫌だから言うけど自分もゲイなんだ」って。あまり重くならないようにラフな感じで話すつもりが、結構真面目な話になっちゃいました。

「母親の反応がとても心配で…」

――お母さまはどんな反応でしたか?

セレスティア さすがに驚いてはいましたけど、うなずきながら真剣に話を聞いてくれました。実は母親の反応がどのようなものなのかとても心配していて、というのもその半年ほど前に一緒に住んでいた4歳上の姉が自ら命を絶ってしまっていたんです。

 

――それは辛い時期ですね……。

セレスティア 2人姉弟だったこともあり姉とはとても仲が良くて、中学生くらいの時はスタバに連れて行ってもらって一緒に勉強したり買い物に行ったりしていました。でも、私が大学に入った頃から徐々に姉は心のバランスを崩してしまい、入退院を繰り返すようになっていました。姉は入院中も私に手紙や誕生日にはプレゼントをくれたり、いつも私に優しく接してくれました。

――何か理由はあったのでしょうか。