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 ですからGメンはあくまで自然にふるまいながら、しかし目を切られないよう視線には集中していなければなりません。見るべきは、エコバッグや服の中など商品を隠した部分。角を曲がるたびに「まだある!」「まだ持っている!」と確かめ、棚を見ては「戻してないな」と確認し、容疑者が店を出るのをじっと待ちます。

 中には罪悪感に目覚めたのか、こちらの追尾に気付いたのか、途中で商品を戻す人もいます。そうした場合はそれ以上追いかけません。

 本来万引きGメンは目立ってはいけない存在であり、普通のお客さんに混じってお店に溶け込まなければいけないのですが、容疑者を見つけて追尾している時はとにかく目を切られないよう、突然ダッシュしたり、ほふく前進のような格好をしたりと、もう必死です(笑)。

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これからも万引きGメンの存在は不可欠

 それもすべては万引き犯を捕まえたいから。コンビニなどは防犯カメラが充実し、映像を併用しながら目を切られない状態を作ることも可能になりましたが、そうすると映像を確認するスタッフも必要になるわけで、やはり基本は肉眼というのは今後も変わらない方向性だと思います。

©getty

 万引きGメンは慎重に慎重を期した上で、さらに慎重に進めるべき仕事です。警備会社によっては1回だけの万引き、または一点現認ではリスクが高いため、声掛けをしてはいけないというルールを作っているところもあります。彼らは常に目を切られないよう、高い集中力と注意力を保ち続けているということを憶えておいてください。

その他の写真はこちらよりぜひご覧ください。