さらに買い物袋を指して「これ、わかるでしょ」と指摘すると、いけしゃあしゃあと「あ、こりゃ返さんといけんわぁ。どうしてこんなところに入っとるんじゃろ?」とうっかり間違ったフリをして、のらりくらりと話をそらし、何を聞いても要領を得ませんでした。最終的には土下座までしていましたが、現場に警察官が駆け付けて、ようやく諦めたようでした。
基本的に万引き犯に声を掛けると、10人中9人は最初否認します。「え、どういうことですか?」「知りませんよ」とシラを切ってごまかそうとします。しかし裏の部屋に連れていかれて、もう言い逃れできないとわかると、今度は態度が豹変します。
「カネを払えばいいんだろう!」逆ギレ老人も
ある種の老人は逆ギレします。「カネを払えばいいんだろう!」「わしが謝ればいいんだろう!」と開き直り、怒りを爆発させます。またある種の老人は「お金は払うから許してください……どうか警察には言わないで……」と涙ながらに懇願し、泣き落としで懐柔しようとしてきます。どちらも罪を犯した後でもお金を払えば許されると思っているところに事件の悪質さが見て取れます。
現実の社会では、もちろんそれで許されることはありません。どちらのケースも店長の判断の下、最終的には警察に引き渡されることになります。
高齢者の万引きはおじいさん、おばあさん、両方とも多いですが、多少おばあさんの方が多いという印象です。やはり普段からスーパーに行く機会が多いのは女性なので、その過程で悪魔の誘惑が頭をもたげるのでしょう。
ただし相手がおばあさんだからといって、ナメてかかってはいけません。中には火事場の馬鹿力ではないですが、ものすごい抵抗を見せるおばあちゃんもいます。
【事件B:老婆の火事場の馬鹿力】(GメンCの場合)
ある時私はスーパーの商品を自分のバッグに入れたおばあちゃんを発見し、店を出たところで声掛けを行いました。その商品を確認しようとバッグに手を触れると、おばあちゃんはものすごい勢いでバッグを引っ張り返してきました。