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「選手と観客との阿吽の呼吸」がイベントの醍醐味

 ボディコンテストの醍醐味は、完成された筋肉を愛でておしまいなどという単純なものではない。選手と観客の阿吽の呼吸、両者の間の深い理解こそがイベントの成否を握るカギだと言っても過言ではない。

選手と観客のコミュニケーションも大会の大事な要素 Ⓒ文藝春秋/撮影・上田康太郎

 審査中は全身の筋肉に力を入れ続けるため、時に「つる」こともあるという。だが、まさか本番中にこむら返りを直すような真似をするわけにはいかない。痛みや極度の緊張に耐え、筋肉をひくつかせながら笑顔をキープする選手に対し、いつの間にかマスク越しの大声援が巻き起こり、涙ぐむ観客もあらわれる。「デカイっ」「頑張れ」「仕上がってる」

「キレてるよ」 Ⓒ文藝春秋/撮影・上田康太郎
キレすぎである Ⓒ文藝春秋/撮影・上田康太郎

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 成長に伴い力こぶが出来たことで筋肉に興味を持ったという中学1年生の少女は「学校のテストを頑張ったご褒美で親に連れてきてもらいました。筋肉、特に上腕二頭筋を見るとワクワクしてきます。ボディビルも好きだけど、無駄のないフィジークも素敵です。パパとは全然違うなって感動しました」と喜ぶ。自衛隊ファンという自営業女性(32)は「日本の平和はこの筋肉に守られているんですね」と感慨深げ。「色々な年齢層の出場者がいますが、こういったステージに慣れていない様子なのに一生懸命な隊員の姿にキュンとしますね。可愛いです」