ベテラン俳優・高橋英樹が、ベストセラー作家「西村京太郎」との旅を終える!

 43年続いた「西村京太郎トラベルミステリー」(テレビ朝日系列)が12月29日の放送でファイナルを迎える。長らく十津川警部役を務めてきた高橋英樹に、俳優人生と、西村京太郎への思いを聞いた。

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 取材場所となる行きつけのラウンジにさっそうと現れた高橋英樹は、西村京太郎の絶筆となる『SLやまぐち号殺人事件』を手にしていた。

「西村先生の最新刊、読みましたよ。最後の作品でありながら、これだけの壮大なトリック。さすがですね。とても面白かったんですが、これは2時間のスペシャルドラマでは、実現できないなぁ」

高橋英樹さん

 この言葉には2つの意味があった。

「白昼堂々と、SLやまぐち号の5号車が車両ごと消される。乗客も全員行方不明。十津川警部は、この謎を見事に解きますが、5号車が一瞬で消えるテレビドラマを製作するとなったら、予算オーバーになりますね(笑)。映画くらいの予算があったら、ぜひ演じてみたいです。そして、理由はもう一つ。今年12月29日に放送される『西村京太郎トラベルミステリー73』が、最後の放送になるんです。毎回、最後になっても構わないように、と全力で撮影してきましたから、悔いはありません」

 悔いはない――。堂々と語る高橋の俳優人生は、逆境と、それを乗り越える努力の連続だった。