Amazon Prime Videoで独占配信されることになったアニメ『ルパン三世VSキャッツ・アイ』は、『ルパン三世』(モンキー・パンチ)アニメ化50周年、『キャッツ・アイ』原作40周年を記念した作品だ。
長年愛される作品はどのようにして生まれたのか、そして、両作品の知られざる関わりとは――。『キャッツ・アイ』作者・北条司先生に聞いた。
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――『ルパン三世』との出会いをお教えください。
北条 僕が見ていたのは『ルパン三世 PART1』ですね。ルパンが緑ジャケットを着ている、いわゆる“緑ルパン”です。本放送は中学1年生の時に始まったんですけど、その番宣が日曜日の昼間にテレビで流れたんですよ。見覚えのある絵だったので「あ、この作品知ってるよ!」と家族と一緒に見たんです。
――モンキー・パンチさんの絵は知っていたんですか?
北条 散髪屋で「漫画アクション」(双葉社)を手に取って、モンキー・パンチさんの絵を眺めていた記憶があります。おそらく『ルパン三世』ではなかったと思うんですけどね。ほかのマンガとは明らかにタッチが異なっていたので、「何だこの絵は!」って強烈な印象がありました。
で、家族と番宣を観ていると、ルパンが例のポーズでサーチライトの中を走っていて、その先に不二子が囚われているのが見えたので、「ああ、彼女を救うんだろうな」と思ったら、こともあろうか不二子の胸元を引き裂いちゃった。そこで一家団欒が凍りつきました(笑)。「これは観ちゃダメだよね」という空気になってしまって、ちゃんと観たのは再放送で、高校生になってからでした。
――そのときの印象は?
北条 いわゆる子ども向けのアニメとは違うな、と。当時、仲間で集まってマンガを制作していたんですけど、作業がひと息つくと『ルパン三世』がはじまって、みんなで大笑いしながら観てました。