ヘビーユーザーは5割以上がメタバース内での恋愛経験者
こう考えると、メタバースの進展とともに、ツイッターに代表される荒涼とした修羅の国のようなSNSは一定程度衰退していくものと言えそうです。ただし、今でも、メタバース内で知り合った人同士が、SNSで連絡を取り合うといったことが多々あります。連絡手段としてのSNSは不可欠なものとして残り続ける可能性が高いでしょう。
恋愛はどう変わるでしょうか? ねむさんの『メタバース進化論』によれば、プレイ時間が1000時間を超えるヘビーユーザーは5割以上の人が、メタバース内で恋愛を経験したことがあるということです。
メタバースでは、実空間での性別を問わず、80%近くのユーザーが女性のアバターを使う傾向にあります。なので、美少女のアバターどうしが付き合っているにもかかわらず、中の人は双方ともおじさんということが多々起こります。それを滑稽に思う人は少なくないでしょうが、そういう人達ははっきり言って時代遅れです。
メタバース内での痴漢が問題に
メタバースでは、リアルな正体を明かさない傾向があって、多くの場合関係性はメタバースのなかで完結しているので、「中の人」に言及すること自体が野暮でしょう。メタバースは、生身の肉体の性別や年齢から解き放たれた空間です。その解放感を当たり前のように謳歌する時代が到来しつつあるのです。
仮想空間で、特に男性が美少女のアバターを操作することを「バーチャル美少女受肉」(バ美肉)と言います。ツイッターで罵り合っている中高年男性達も、メタバース内でバ美肉化して互いに抱き締め合えば、「なべて世は事もなし」です。
不思議なことに、アバター同士が重なり合ったら、直に触れ合っているような感覚が生じたという報告もあります。逆に、嫌いなアバターや赤の他人のアバターが触れてきたりすると、生理的嫌悪を感じる。だからメタバース内痴漢などもすでに問題になっており、ホライズン・ワールド(メタ社が運営するメタバースのプラットフォーム)では、自分の半径1.2メートル以内には他人が入れないようにして、パーソナルスペースが保たれる設計になっています。