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 まず、日本企業は人材投資をしなくなっており、主要国最低レベルです。新人研修に熱心なイメージがあるせいか、社員教育に力を入れていると思われがちですが、実際にはそんなことはありません。

月に1冊も読書をしない人の割合は47%

 図1にあるように、社外で勉強しない人が46%もいます。「自分の実感と合わない、自分も周りの人もみんな勉強している」と驚く人もいるかと思いますが、私には納得の数字です。

 

 というのも、大学で教えていると分かることですが、講義に関わること以外は一切勉強しないし、知的な本を一切読まないという学生が半分くらいいます。小説だけでも読む学生はまだマシに思えます。

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 比較的時間のある学生時代に本を読まないくらいだから、社会人になったらどうかは推して知るべしでしょう。実際、文化庁の平成30年度「国語に関する世論調査」によれば、月に1冊も読書をしない人の割合は47%です。

日本の子供達は「勉強嫌いのガリ勉」

 私が、ツイッターで「日本の会社員はぶっちぎりで勉強しない」と書いたら、「ふざけるな! 経済停滞を労働者のせいにするな」というリプライをたくさんいただきましたが、私は単にグラフから読み取れる事実を言っただけです。

 リプライの中には、「仕事に疲れ切っていて勉強や読書をする余裕がない」という意見もありました。当然、そういう人も少なくないと思いますが、主因は他にあると思います。というのも、多くの調査が、日本人の知的好奇心が他国に比べて圧倒的に低いと指摘しているからです。

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 例えば、図2を見て分かるように、日本の子供達は、他国と比べて科学を楽しいと感じていません。そうかと言って、全然勉強しないというわけではない。それどころか、図3のように、数学的リテラシーランキングは1位、科学的リテラシーランキングでは2位で、大変優秀です。一言で言うと、日本の子供達は「勉強嫌いのガリ勉」ということになります。

 
 

 

 テストがあるから勉強するが、大人になったらテストはないので一切勉強しない。それが半分くらいの日本人の姿です。実際に大学で教えていても、勉強を試験でいい点をとるための修行としか思っていない学生が多いことを実感します。