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HIKAKINに手料理、一人温泉、滝行にも挑戦…ドラマ『silent』で見せる表情と真逆な、川口春奈の“雄弁なタレント性”

2022/12/22
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 川口春奈主演、今クール最注目のドラマ『silent』が本日、最終回を迎える。

 登場人物たちの心情を丁寧かつリアルに伝えるセリフのやり取りや、穏やかに流れていく時間の流れもさることながら、主演を務める川口春奈の存在感と魅力がひときわ輝きを放っている。

ドラマ「silrent」ポスタービジュアル ©フジテレビ

令和を代表するラブストーリーの主役として注目

 今回のドラマで彼女が演じた役どころは、地元の短大を出た後に上京し、CDショップで働いている26歳の女性・青羽紬。

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 高校時代、紬は同級生でサッカー部のキャプテン・佐倉想(目黒蓮)とつき合っていたが、卒業と同時に一方的に別れを告げられていた。それから8年後、二人は街で偶然、再会する。

 その頃、紬は同じく高校の同級生だった戸川湊斗(鈴鹿央士)と交際していた。一方、想は高校を卒業してすぐに発症した若年性の聴覚の難病によって、ずっと“音”を失った生活を送っていたのだ。

 そんなある日、紬は湊斗から突然フラれてしまう。気持ちの整理がつかないまま、少しずつ募る思いと共に、改めて再び惹かれ合う紬と想。しかし、中途失聴者である想は常に葛藤と逡巡を抱え、聴者である紬も想の苦しみに寄り添おうとするが、二人の距離はなかなか縮まらないまま、時間ばかりが過ぎていく。

川口春奈さん演じる「青羽紬」 『silent』フジテレビ公式サイトより

 そして、最終回直前の第10話。想は紬に「(紬の)声が思い出せない」「好きになるほど辛くなっていく」と、悲痛な胸の内を打ち明ける。果たして紬は想を、想は紬を受け止めきれるのか。このまま二人はどうなってしまうのか……。

 ラブストーリーとしては失聴者であろうが聴者であろうが関係なく、一人の人間同士として向き合い、見えない壁を乗り越えて共に生きていくことを選ぶのが一番良い着地だろう。だが、ここまで二人の心情と背景を丁寧に描いてきた以上、あえて結ばれない終わり方もあるのではないか、とも想像してしまう。

 たとえハッピーエンドでもビターエンドでも、いずれにせよ最終回は彼女の表情と共に、見る人の心にきっと大きな何かを残してくれることだろう。

俳優としてこの1、2年で急成長を遂げた印象

『silent』に限らず、ここ数年の川口春奈の俳優としての躍進は目覚しいものがある。

『教場』フジテレビ公式サイトより

『教場』(2020年)『教場Ⅱ』(2021年)とスペシャルドラマとして2度の放送を経て、来年4月から月9枠で連ドラスタートすることで注目を集めている、木村拓哉主演の『教場』。

 この作品で彼女は木村演じる警察学校の教官・風間公親の薫陶を受ける訓練生・菱沼羽津希役で出演。