そして『プラトニック・セックス』発表後、その“自然体キャラ”に拍車がかかり、より世間的な好感度がアップ。『ウチくる!?』での中山秀征さんとの名コンビぶりによる等身大なキュートさや『サンデージャポン』で見せる、歯に衣着せぬ意見や持論等、一貫して“裏表のない”、つまりカメラが回っていないところでも同じスタンス、キャラクターでいることが多くなり、ますます業界内でのファンの数を増やして行った。
総じて“どんなことにも真摯に全力で取り組む女性”という印象で、経験値や番組出演歴がそのまま自身の女優・タレントとしてのキャリアにストレートに繋がって行ったように思う。それだけにひょっとしたら、何かのきっかけで“あたしって一体なんなんだろう?”という思いに次第にかられるようになり、そこから出口の見えない心の迷宮に入ってしまったのかもしれない。
いずれにせよ飯島さんの突然の訃報は、偶然とはいえ数年にわたって彼女を取材して来た筆者にも激しいショックを与えた。こうやって振り返ってみると、飯島さんの存在そのものが、自身が体感した’90~2000年代だったようにも思える。
「これからの時代は…」飯島愛が見通していた“その後の日本”
今も欠かさず、飯島さんのお墓参りをしているという中山秀征さんは2020年に自身のTwitterでお墓参りの画像とともに、
「そういえば昔、愛ちゃんが“これからはYouTubeの時代が来るよ”って言ってたよね。さすが先見の明があるね。(中略)天国からみんなを見守って下さい」
とコメント。勉強熱心さと向上心に溢れていた彼女らしい言葉といえるが、2000年代初めという時代性を省みると、そのアンテナ感度にはすごいものがある。
また、盟友の千秋さんは2019年に自身のインスタで飯島さんと生前、
「私が死んでも悲しんだり泣いたりしないでよ。またねー! ばいばいきーん! みたいな。笑ってよ。深刻なのとか悲しいのとか嫌だから」
という会話を交わしていた事を公表。こちらも“自身の運命”を見透かしていたような発言で、お二人ならずとも飯島さんの先見の明に驚かされる。
ひょっとしたらあの時、飯島さんには2022年の今が見えていたのかもしれない。でもだからこそ、今もいて欲しかったと強く思う。今の日本に必要なものは、暗い気持ちを一瞬にして吹き飛ばす、彼女の天真爛漫なお色気と明るさだろう。
人は、その存在の大きさを、亡くしてから気づくことが多いが、飯島さんも確実にそのおひとりだろう。14年目に改めてご冥福をお祈りします。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。次のページでぜひご覧ください。