キャバ嬢、警察官、教師、グラドル――。全く違う人生を選んだ4人はなぜリングに辿り着いたのか?熱狂する「女子プロレス」の世界に迫る(全4回の2回目/#3、#4に続く)。
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セクシー女優のちゃんよたは、昨年9月にプロレス団体「P.P.P.TOKYO」でリングデビュー。キャリア1年ちょっとで大手女子プロレス団体「スターダム」、格闘技イベント「BreakingDown」と立て続けに参戦し、「どうせイロモノ」とは言わせない活躍ぶりを見せている。
今でこそ人前に出る仕事をしているが、「実はど真面目でど陰キャ」というちゃんよた。何が彼女を変えたのか? そこには警察官だった過去が、深く関わっていた――。
「強くなりたい」内定を蹴って、警察学校入りを決意
――ちゃんよたさんは昔、警察官だったとか。
ちゃんよた 2年足らずで辞めちゃいましたが、交番勤務をしていました。
――昔から警察官に憧れていたんですか?
ちゃんよた もともと高等専門学校(高専)に通っていて、将来は化学系のメーカーに就職するつもりでした。母親が安定志向で、「手に職がついていたほうがいい」と言われていたんですよ。自分も勉強は好きなほうですし、白衣を着て実験する日々は楽しかったですね。
ただ、当時バイトしていたコンビニのお客さんがストーカーっぽくなってしまって、警察の方に助けてもらった。その経験をきっかけに「自分自身や、身近な人を守れる強さが欲しい」と感じて、急きょ警察学校に進みました。すでに一般企業から内定もいただいていたので、周囲にはびっくりされましたけどね。母親も驚いていましたが、「まぁ公務員になるなら、それはそれで安心だね」と納得していました(笑)。
――警察学校って、とても厳しそうなイメージがありますが……。
ちゃんよた めっちゃ厳しかったです。基本的に携帯電話は没収で、外部との連絡手段は構内にある公衆電話、その1つだけ。漫画や本は持ち込み禁止。女子もスポーツ刈りのような髪型をさせられました。ただ、その生活が結構楽しかったんですよね。高専は服装も髪型も全部自由な校風だったから、警察学校の厳しさは逆に新鮮で面白かったです。体を動かすのは昔から好きだったし、「お給料をもらいながら、筋トレや柔道の練習ができるなんてうれしいな~」と思っていました(※警察学校は学費がいらず、給与が支給される)。
――警察学校を卒業後、交番勤務になったわけですね。
ちゃんよた はい。だから『ハコヅメ~交番女子の逆襲~』(元警察官の泰三子による警察コメディ漫画)を読むと、「めっちゃわかる!」ってなりますよ。特に合コンで自分の職業を隠すシーンは共感しました。私もあまり親しくない人には「事務系の公務員」とか言ってごまかしていたので(笑)。
「本当に『税金泥棒』って言われるんですよ」
――しかし、2年足らずで退職されています。どうしてでしょうか。