キャバ嬢、警察官、教師、グラドル――。全く違う人生を選んだ4人はなぜリングに辿り着いたのか? 熱狂する「女子プロレス」の世界に迫る(全4回の1回目/#2、#3、#4に続く)。
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現代女子プロレスを語る上で、この選手は欠かせない。ジュリアは2019年11月にスターダムに正式入団して以降、シングル戦線でもタッグ戦線でも大活躍。2021年3月3月に日本武道館大会でライバル・中野たむと繰り広げた“敗者髪切りマッチ”は伝説の一戦となり、解説席にいた北斗晶にも「令和のデンジャラス・クイーン」と認められた。
そんなデンジャラス・クイーン2世は、歩んできた人生も並大抵のものじゃない。いじめられっ子だった彼女の子ども時代は、毎日がサバイバルだった。戦って、戦って、戦って……。そして見つけた居場所が、リングの上だった。
イタリア人のハーフで、嫌でも目をつけられた学生時代
――子ども時代はいじめられっ子だったと聞きました。
ジュリア 上履きは何度見つけても隠されちゃうし、机に「死ね」って書かれたりとか、集団にシカトされたりとか。実家がレストランだったんですけど、数十人分の貸切予約が無断キャンセルされたこともありました。お客さんがたくさん来てくれると思って、スタッフ総出で準備したんですけど……(笑)。
公立小学校での経験があったので、中学は私立に進んだんです。でも、そこは更に悲惨な目に遭いました。財布は盗まれるわ、教科書隠されるわ。突然後ろからスパーン!て殴られるわ。いくら先生に助けを求めても、誰も助けてはくれなかった。同じ学校に居たハーフの親友と協力して、なんとか反撃していたんですけど、やっぱり限界がありましたね。高校はすぐに退学。引きこもりがちな生活になった後、悪い仲間と連むようになってからはヤンチャしていた時期もありました。
――たしか、お父さんがイタリア人なんですよね。