A氏はメディア取材に対して、「『親が支払い』というのは実家が自営業のため、父親名義でまとめて支払ったほうが都合が良いだけの理由であり、顧客情報から勝手に推測して、このような指示を出すなど信じられない」と語っており、ネットで話題になってからようやく、代理店側からお詫びの連絡があったという。
ドコモショップで発生したトラブルであったため、NTTドコモの体質を非難する声が多く聞かれたが、実はドコモが直接運営しているドコモショップは存在しない。一部、ドコモ100%子会社である「株式会社ドコモCS」が運営する店舗はあるが、それ以外はすべて販売代理店が運営するフランチャイズ店なのだ。
問題が起きた店頭は、「兼松コミュニケーションズ株式会社」の運営によるもので、同社はドコモショップのほか、auやソフトバンク、ワイモバイル各社の携帯ショップなどを運営しており、直営店だけでも156店舗、直営店ではない2次代理店以降を含めると419店舗(当時)を展開する、携帯電話販売代理店業界では大手であった。
実際の対応と結果、本来あるべき対応とは
同社は事件を受けて、公式サイトに以下謝罪文を掲載している。
今月6日(月)に弊社が運営するドコモショップ○○店へご来店されたお客様への応対にあたって、同店の従業員の間の連絡用メモにおいて極めて不適切な文言を使用していた事実が判明いたしました。
今回の事態により、お客様のお心を傷つけ、多大なるご迷惑をおかけしましたことを衷心より深くお詫び申し上げます。また、今回の事態により関係者の皆様にご不快の念をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。
現在、事実関係の確認を行うとともに、このような事態が生じた原因について調査を行っており、調査結果に基づき、厳正な対処を行う所存です。
全国に販売・サポート網を築くため、携帯キャリア各社は人件費を安く抑えられる代理店を活用する傾向にある。キャリア各社は独自のショップスタッフ教育プログラムを用意し、接客スキルの向上に努めてはいるのだ。ただ、スタッフの採用と普段の育成については各代理店の力量の差がどうしても出てしまう。
良い雇用条件を提示できる代理店なら能力の高いスタッフを雇える一方で、たとえば給料の安い代理店には給料相応のスタッフしか集まらない、といったことも起こり得る。結果、今回問題を起こしたようなドコモショップが生まれてしまうわけだ。