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“人見知り”だった高見さんはしばしば打ち上げを脱走し…

 高見さんは1962年7月9日生まれの愛媛県新居浜市出身。1978年に「シンデレラ」で歌手デビュー。ベテラン俳優・タレントの山城新伍さん司会のクイズ番組『アイ・アイゲーム』(’79年)でのユニークな回答や弾けたキャラで注目を浴びた。後の『クイズ!ヘキサゴン』(’02年)等のいわゆる“おバカキャラ”の元祖ともいえる。

©️時事通信社

 だが高見さんは、そんなイメージを軽く吹き飛ばすように歌番組はもちろんバラエティ、ドラマ、映画、そしてCMと活躍の場をどんどん拡げていき、“マルチタレント”としての才能を発揮した。

 ラジオ番組風の情報バラエティ『TVグラフィティ』('82年)では、おヒョイさんこと藤村俊二さんとDJ調の掛け合いで人気を集めた。“じつは人見知り”という点でも二人は意気投合。番組の打ち上げやパーティー等で、よく示し合わせて脱走していたというから面白い。

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「青島さんは都知事になるからいいけど、あたしは…」

 話題のCMにも多数出演。研ナオコさんとコンビを組んだ生理用品のCM(’84年)では二人の「お姉様のいぢわるっ!」という掛け合いが人気に。

 また、藤島親方(元貴ノ花)、コント・レオナルドのレオナルド熊さんと共演した「サントリーナマ樽」のCM(’83年)では熊さんの娘役を演じ、熊さんが言う「いかにも、一般大衆の喜びそうなアイディアですねこりゃあ!」という名フレーズも大いに話題を呼んだ。

 他にも“夜霧よ今夜も肩がこる。”というキャッチ・コピーが評判となった「ピップエレキバンミニ」(’84年)など普通、アイドルなら出演しないようなCMに次々と出演。マルチぶりをどんどん開花させて行った。

 そんな活躍の極めつけは、日本テレビ系毎週月~金の19:00~19:30に帯で放送されていたドキュメンタリー番組『追跡(後に大追跡に改題)』(’88年)だろう。余談だが、じつは今も人気の『はじめてのおつかい』はこの番組から生まれている。

©️文藝春秋

 高見さんは直木賞作家で、後に東京都知事となる青島幸男さんと二人、連日生放送でこの番組の司会を務めた。番組は約6年続き、青島さんの都知事が決まって終わった。

 打ち上げの席で「青島さんは都知事になるからいいけど、あたしは婚期を逸しちゃったわよ」と半分本気、半分冗談で青島さんや周りのスタッフに言っていたという。