1ページ目から読む
3/5ページ目

3位:『コーダ あいのうた』――「考えさせられる映画」で「泣ける映画」ながら、「攻めた下ネタ」が共存

3位:『コーダ あいのうた』(公式HPより)

 CODA、すなわち「聴覚障害者の両親をもつ子ども」を主人公に、好きな歌を学ぶため家を出たい気持ちと、家族を助けるために家に残らなければいけない義務感の間の葛藤を描く。

「『聴者の言葉って人の温かさを失ってないかな?』と深く考えさせられた一本です」(プチ鹿島)

「クライマックス。ろう者の家族だけがその声を聴くことができない。健聴者とろう者ではこの場面の見方は違うのではないだろうか?」(中江有里)

ADVERTISEMENT

 問題を投げかける一方、

「ハンデを持った俳優の演技の素晴らしさ。層が厚いよ。ろうあの下ネタギャグは刺激的だった」(ウエストランド・井口)

 とも評されるように、かなりエッジの効いた下ネタを主人公の両親が炸裂させる。その振り幅に、今作の豊かさを感じるのである。