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彼女の最期の言葉
「先生、タオル取って……」
苦しそうな声が聞こえたが、久田は隣の美術準備室に逃げ込み、約3時間後に由貴子の死亡を確認すると、美術室奥の棚に木箱を隠し、日曜の朝にその場を離れた。
普段通り授業を行った月曜の夜、久田は由貴子の部屋に行って指紋を拭き取ると、家出したように見せかけるため、彼女の家財道具を上階にある奈美の部屋に運び入れた。
そして火曜になり、由貴子の亡骸をガソリンで燃やそうと考えた久田だったが、すでに遺体は腐敗が始まっており、強烈な異臭を放っていた。
「臭くて無理だ。助けて」
久田はいちばん新しい愛人の奈美に手伝いを求め、彼女もそれに従い、犯行に手を染めた。久田は木箱を別の場所で燃やすなどして証拠隠滅を図ったのち、新たな“金づる”として、奈美に次の言葉を投げかけていたという。
「いずれ俺のところに警察が来るだろうが証拠がない。大丈夫だ。だからお前は風俗店に勤めてこい」
逮捕後、久田がこれまでに他の教え子数人に対して、美術教師という立場を悪用して、“デッサンのモデル”との口実で、ヌード写真を撮影。それをもとに恐喝していたことが判明した。なかには数千万円を要求し、払えなければ風俗店で働くように命じていたケースもあったという。
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