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「奥さんに電話して、いままでのことを話して恥をかかせてやる。校長や近所の人にも先生は風俗嬢のヒモだと言ってやる」
追い込まれた久田は、「いままで預かったカネは全部返す。頼むから秘密にしてくれ」と、彼女に許しを請うようになった。
だが、由貴子は聞く耳を持たない。それどころか、頻繁に久田の勤務先の学校に電話をかけてくるようになり、家族を捨てて自分を選ぶよう、決断を迫ったのである。
ヌード写真での恐喝が常套手段
学校が休みの日曜に由貴子を殺害しようと考えた久田は、土曜夜に呼び出した彼女に「痩せ薬だ。よく効くらしい」と睡眠薬2錠を飲ませた。それで強気になった久田は、「俺はお前がなんと言おうと女房とは別れないし、東京にも行かない」と口にしてしまう。その言葉を聞いた由貴子は激昂し、「死んでやる。あんたを困らせてやる」と暴れ始めた。
久田は由貴子をなんとかなだめて車に乗せると、あらかじめ用意していた金づちで頭を殴り、紐で首を絞めたうえで、荷台に置いていた木箱に閉じ込めた。
その後、勤務先の学校へと向かい、美術室に木箱を運び入れた久田は、中から呻き声が聞こえたため、どうやって彼女を殺そうかと思案した。
「先生のことは誰にも言わないから家に帰して」
木箱の蓋を開けると、意識がもうろうとしながらも、由貴子は懇願した。そこで久田は「言うことをきくのなら、手を縛らせろ」とビニール紐で彼女の手首を縛った。そして、木箱に閉じ込めて窒息死させるほかないと考え、タオルや衣類とともに由貴子を中に押し込み、蓋を閉めたのだった。