大賞はAdoか、氷川きよしか、それとも?
連覇がないとなると目を引くのは、Adoの『新時代』。大ヒットしたアニメ映画『ONE PIECE FILM RED』の主題歌で、多くの視聴者に耳馴染みもあり納得感も強そうだ。ただデビュー時から一貫して“顔出しNG”のAdoは、12月31日の「NHK紅白歌合戦」にもアニメ内のキャラ「ウタ」として出演することを発表しており、レコ大も同様に映像での出演となるだろう。長年音楽賞レースに関わる音楽ライターはこう洩らす。
「Adoが顔出しで歌ってくれるとなれば今年の勢いからして文句なしの大賞でしょうが、現実は甘くない。今回は予めそれがない事が分かっていますし、ステージに生出演する他の出演者の手前、Adoに票を投じる審査員は少ないでしょう。どうしても古い感覚の人が多いですから」
では大賞は誰の手に渡るのか。前出の音楽ライターは「氷川きよしの『甲州路』か『SEKAI NO OWARI』の『Habit』でしょう。他はちょっと話題性や総合力に欠けるし、ほぼこの2組のどちらかで決まっているようです」と解説する。
「氷川は年内をもって歌手活動を一旦休養することを発表しており、今回は節目のレコ大。休養を公表した年始の時点では『今年は氷川だろう』という声も少なくなかったのですが、ここに来て所属事務所内のトラブルが逆風となっているそう。一方『セカオワ』は2018年の『サザンカ』以来4年ぶりの優秀作品賞となりましたが、『Habit』はTikTokなどのSNSで流行り若者の間でも大人気。近年はテレビの露出も抑え気味だったので番組としても貴重な生歌唱は有り難いでしょうね」(同前)
古き良き演歌界を盛り上げ続けた氷川の功績も大きいが、今の所はSNS時代に大きな“バズり”を決めてみせたセカオワが一歩リードか。様々な思惑や事情の交錯する大賞発表も、年の瀬の風物詩である。