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「印鑑押してくれっていわれたんや」大阪市の介護事業所で給付金不正請求の疑い〈証拠音声入手〉

2022/12/28

 訪問介護や訪問看護などの介護事業を手掛ける株式会社Bear(大阪市、以下B社)と、関連法人で障害者の就労支援などを行う一般社団法人大地のめぐみ。事業所名は「元気百倍ネット」などとして事業を展開している。今回、元「週刊文春」記者で、介護業界の取材を続けるノンフィクションライターの甚野博則氏が、B社の内情を知る関係者から内部資料や音声の提供を受けて取材した結果、大阪市からの給付金を不正に受給している疑いがあることが分かった。

事業所の入口

就労支援をしているように見せかけるため、虚偽の書類を作成

 甚野氏が関係者から提供を受けたB社の内部資料「訓練等給付費等明細書」によれば、B社は乾大介さん(仮名)の就労支援をしたことにより、多い月には約26万円の給付を大阪市から受けている。その中から就労者には報酬として1万円から1万5千円ほどが支払われる仕組みだ。

 ところが、甚野氏が入手した乾さんとB社スタッフの会話の録音データには、こんなやり取りが記録されている(音声は「週刊文春 電子版」で公開中)。

乾さん「(代表から)前みたいにサインと印鑑押してくれっていわれたんや。(略)で、助成金欲しいんやったら前と同じように、ここに印鑑とサインを、と。あとはもう向こうにおる人が書いてくれて」

スタッフ「(就労に)行ってはいないってこと?」

乾さん「もう(代表にも)言うてるんよ。もう行かへんからねって」

ほぼ毎日作業したことになっている記録票

 これはB社が乾さんに就労支援をしているように見せかけるために、印鑑とサインによって実態を反映していない虚偽の書類を作っていることを示すものだ。