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容赦ない「六代目山口組」、背水の陣の「神戸山口組」…“最終戦争”で何が起きているのか

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「墨を入れたらどうだ」という言葉の真意

 警察関係者が明かす。

「髙山氏は直接的な指示を出すのではなく、暗に身体を張るよう仕向けていく。例えば、入れ墨が入っていない幹部に『墨を入れたらどうだ』と迫る。高齢の組長に今さら墨を入れろという言葉の真意は、ヤクザとしてやるべきことをやれという意味です」

六代目山口組の司忍組長

 髙山氏が敷く“名古屋”一強体制では、直参組長や側近に対しても容赦はないという。

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「山口組きっての武闘派として鳴る弘道会系野内組で、今年5月に幹部が殺害される事件がありましたが、犯人が素人のペルー人だったことで騒然となった。示しがつかないとする髙山氏は、『ペルー相手に戦争してこい』と檄を飛ばしたそうです」(同前)

 一方、六代目側の攻勢を受け壊滅的なダメージを負っている神戸山口組は、夏に若頭だった侠友会の寺岡修会長が抜け、さらに副組長だった宅見組の入江禎組長も離脱。櫛の歯が欠けるように大物幹部が去った。

 寺岡氏は12月20日、神奈川県内の「稲川会館」を訪れ、稲川会の内堀和也会長の仲裁のもと、髙山氏に正式に謝罪し、引退を報告。その後、兵庫県警には侠友会の解散届が出された。

「これで侠友会の組員はほぼ堅気になりますが、一部は六代目側に戻る可能性もある」(同前)

 背水の陣となっている神戸山口組。そのトップ、井上邦雄組長の周辺も風雲急を告げている。

神戸山口組の井上組長

「6月に井上組長の自宅に銃弾が撃ち込まれました。その前には彼の親族が経営する焼き鳥店も襲われた。この親族は、井上氏が支配下に置いていた『山健会館』という建物の所有会社の役員でしたが、8月に役員を辞めている。建物は神戸市によって差し押さえられており、包囲網は確実に狭まっています」(同前)

 山口組の分裂抗争は最終局面を迎えつつある。

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