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「50で出産なんて、子どもがかわいそう」という声も…超高齢出産した女性(55)が感じた「高齢育児のメリット」とは

「50で出産なんて、子どもがかわいそう」という声も…超高齢出産した女性(55)が感じた「高齢育児のメリット」とは

50歳で初産・沢えりかさんインタビュー #2

2023/01/20
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 そこは自分はラッキーで、彼女が本当に素直でいい子だったんです。あとは、パートナーの方が早くに亡くなってしまっていたので、お母さんという存在を知らずに父子家庭で育ってきたという環境もあり、私と比べる対象がなかったのも大きかったと思います。

妊娠後は「ハイリスク患者」に

――パートナーの方と49歳で結婚し、1度目の体外受精ですぐ妊娠したものの、病院では「ハイリスク患者」として扱われたそうですね。

 年齢のせいか途中から妊娠高血圧症候群になってしまったのと、ずっと前置胎盤だったんです。なので運動できなくて、家で安静にしていました。

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妊娠9か月の頃(本人提供)

――沢さんのブログで、医師から前置胎盤のときのセックスについて細かく指示があったのに驚きました。

 たしか、「インサートはNGだけど、オーガズムはOK」と言われたんですよね。

――日本の産科で「オーガズム」までフォローするとはあまり聞いたことがなくて。

 そうなんですね。まあでも、私は怖くてできませんでしたね。力んだ瞬間に万が一のことがあったらと思うと恐ろしくて、とてもそんな気にはなれなかったです。

――高齢出産でハイリスク患者となったことでつらさはありましたか。

沢 出産はめちゃくちゃつらかったですけど、これが50代だからなのかはわからなかったですね。前置胎盤は改善して自然分娩できることになったのですが、無痛分娩でもものすごくキツかったです。

体の中から「ビリッ」と切れる音が…

――どんな経過でお産が進んだのでしょうか。

 日本では陣痛室から分娩室に移動して出産しますが、アメリカでは自分が入院する部屋で分娩もするんですね。その部屋で20時間以上粘ってもなかなか生まれなくて。年齢のせいかはわかりませんが、産道が硬かったようです。最後、「もう帝王切開に切り替えますか」となった直後、思いっきり踏ん張ったら体の中からビリビリビリッと音が聞こえて。入口じゃなく、完全に体の中から切れた感覚がありました。