[ロンドン]英王室を離脱したヘンリー公爵=王位継承順位5位=とメーガン夫人の米ストリーミング大手Netflixドキュメンタリーシリーズ『ハリー(ヘンリー公爵の愛称)&メーガン』やハリーの回想録『スペア(王位継承者に何かあった時の予備という意味)』が世界中で衝撃を広げている。在英国際ジャーナリストの木村正人氏が解説する。(全2回の2回目/前編から続く)
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ハリーの人気は急落
大学時代に、将来は国王になる運命のウィリアム皇太子に見初められて王室に嫁いでプリンセスになったキャサリン妃が前時代のシンデレラなら、奴隷から解放されたアフリカ系移民の血を引くメーガンはハリーを王室から救い出し、1人の人間としてのアイデンティティーを取り戻すのを助けた現代のシンデレラ。それがメーガンの描く台本だ。
しかしメーガンの常識は英王室や英国では通じない。英世論調査会社ユーガブの調査(1月上旬)では、ハリーを好意的に見ている英国人は前回(昨年12月)の調査から7ポイントも減ってわずか26%。2011年に調査を開始して以来、最低水準を記録した。そして前回より5ポイント増の64%がハリーに対して否定的な見方をしている。
ハリーに好意的な見方をしていた若者ですら、好意的、否定的な見方がそれぞれ41%と真っ二つに分かれた。前回調査では好意的49%、否定的29%と20ポイントもの差がついていたにもかかわらずだ。ハリーの怒りの矛先になっているウィリアム皇太子の好感度も77%から69%に8ポイントも減る一方、否定的な見方をする人は15%から20%に増えた。