『ハリー&メーガン』も『スペア』も英国内ではマイナスの反応が主流だ。王室支持率も泥沼の内紛劇に嫌気が差したのか60%から54%に低下、否定的な見方をしている人は30%から35%に増えた。エリザベス女王の死去で支持率が68%まで回復した英王室人気もハリーとメーガンの反乱で急速に冷え込み始めている。
メーガンの「王室を分断」する戦術
英BBC放送の元王室担当記者が「キャサリン妃にはブレーンがないが、メーガンはブレーンを持っている」と語るだけあって、メーガンが優れた戦略家であることに疑う余地はない。巧妙にウィリアム皇太子とキャサリン妃の人間性に疑問符を投げかけ、王座には矛先を向けない。兄弟の戦いに勝者はいない。
しかし興行的に大成功となったメーガンだけは、ほくそ笑んでいるのかもしれない。
メーガンの異母姉のサマンサ・マークルさんがいみじくも「メーガンは王室を分断し、征服する戦術をとっている」と言い当てたように、メーガンはハリーを後ろから操りながら、5月の戴冠式を控え、できるだけ波風を立てたくないチャールズ国王と、ウィリアム皇太子の間に楔を打ち込もうとしている。
ハリーはチャールズ国王とまだかすかなクモの糸で結ばれていると信じているふしがうかがえる。しかし家族内の会話や出来事の暴露も厭わないハリーとメーガンを受け入れる王族などいるのだろうか。英王室としては2人に形式的な招待状は出すものの、自主的に辞退の理由を見つけてくれることを祈っているに違いない。
2021年4月、フィリップ殿下の葬儀がウィンザー城で営まれた時も言い争うウィリアム皇太子とハリーの間にチャールズ国王が入り「頼むよ、息子たち。私の晩年を惨めなものにしないでくれ」と懇願した。チャールズ国王は戴冠式に向け、和解のシグナルを送り続けてきたが、ハリーは『ハリー&メーガン』と『スペア』の発表を思いとどまらなかった。