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《数多い美智子さまスタイルの中でも傑作にあげられる》皇室ファッションを確立した「美しすぎた喪服」

《数多い美智子さまスタイルの中でも傑作にあげられる》皇室ファッションを確立した「美しすぎた喪服」

2023/01/21
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美智子さまの代名詞「小皿帽」

 例えば、美智子さまファッションとして、触れずにはおけないことといえば――。それは「お帽子」と、だれもが異口同音に答え、さらにコメントを加えたがるかもしれない。ご結婚当初は、そのお帽子の制作をしていたのは、ベル・モードといわれるが、近年は「平田暁夫」が多い。

 新調されるときの基本は、洋服とのアンサンブル。思い切りつばの広いものもあるが、最近は女性誌などが、「小皿帽」などと名づけている直径20センチぐらいの丸型の帽子で、花のコサージュが乗っていることもある。暁夫さんの妻で、同じく美智子さまの帽子制作を担当している恭子夫人は話す。

「果して帽子と呼べるかどうか。むしろヘア・アクセサリーの一種という言いかたのほうが、当たっているかもしれませんね」

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 この帽子とセットでよくお召しになるのが、ストールやマントのように肩を覆う美智子さまの「ケープ型スーツ」だ。これも美智子さまの帽子の被り方と同様、英王室には例がなく、ある意味、日本の皇室の存在感を内外にアピールしているファッションスタイルだろう。

 ちなみに美智子さまのヘアスタイルも独特で、白髪の交じったウィッグをナチュラルに使いこなしていらっしゃるようだ。「老いを無理には隠さない」のが、美智子さまの流儀なのかもしれない。

 美智子さまモードを演出してきたデザイナーは時代によって何人かいる。一番有名なのは、芦田淳さんだろう。仮縫いは、友子夫人も一緒に東宮御所へうかがったという。

「ファッションに関しては、抜群のセンスをお持ちで、ボタンの位置、そでの長さ、スカート丈などには、一切妥協のないかたですね」と生前の芦田淳さんは語っていた。

ジャーナリスト・堀江瑠璃子氏による「美智子さま・雅子さま・愛子さま『華麗なるお召し物の系譜』」は、月刊「文藝春秋」2023年2月号、および「文藝春秋 電子版」に掲載されています。

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美智子さま・雅子さま・愛子さま「華麗なるお召し物の系譜」
《数多い美智子さまスタイルの中でも傑作にあげられる》皇室ファッションを確立した「美しすぎた喪服」

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