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 寺内容疑者と川野さんの関係は昨年10月頃には悪化しており、川野さんが初めて警察に相談したのは10月21日のことだった。

「2人はまだ交際中でしたが、川野さんが『(寺内容疑者と)喧嘩になって携帯電話を奪われた、取り返したい』と博多警察署に相談しています。3日後に携帯電話は返還されたようですが、その後『別れた相手が納得しない』と再び相談に訪れています」(大手紙社会部記者)

寺内進容疑者 本人Facebookより

 しかし、川野さんが警察に相談した後も事態は改善せず、11月21日には寺内容疑者が川野さんが働く会社をアポ無しで訪れるなど行動がエスカレート。その後も川野さんの携帯に着信を3件残す、職場に電話をかけるなどの行為があり、福岡県警はストーカー規制法に基づいてつきまといなどの「禁止命令」を出している。

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警察は引っ越しや転職を勧めていたが…

 その後は小康状態を保っていたが、1月16日午後6時過ぎ、川野さんは頭や胸、腹など十数か所を鋭利な刃物で刺されて死亡。2日後に寺内容疑者が殺人容疑で逮捕された。現場から逃げ去った寺内容疑者だが、身柄を確保されると容疑を認め、「復縁を求めていたが、叶わず刺した」と供述している。

亡くなった川野美樹さん 本人Facebookより

 福岡県警は川野さんに、ボタンを押すと110番に繋がる装置を渡していたというが、身を守ることにはつながらなかった。

「事件の日、寺内容疑者は川野さんの職場の近くで待ち伏せし、少し横を歩いて話しかけ立ち止まったところからいきなり襲いかかったので、川野さんはボタンを押す余裕はありませんでした。県警は川野さんに1人での行動を控えて引っ越しや転職も検討してはどうかと勧めていたようですが、シングルマザーとして家計を支える川野さんが突然生活を変えることは難しい。そんな中で起きてしまった惨事でした」(前出記者)

 川野さんは搬送された病院で死亡が確認され、寺内容疑者は伊達メガネをかけて中洲を歩いているところを発見された。逃走するわけでもなく、自首をするでもなかった2日間、容疑者は一体何を考えていたのだろうか。

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