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お台場「大江戸温泉物語」は閉館したが…「ラクーア」が都心スパの“覇者”になった3つの理由〈開業20周年〉

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2023/01/31

genre : ライフ, 社会

note

 ラクーアの場合、ビルの5階から9階までを丸ごと使い、吹き抜けもあって、実に広々とした印象だった。混雑中の3連休中でさえも、リラックスラウンジでいつでも席が確保できるほどのスペースがあり、「密」を意識するどころか、どこも開放的な空間に見えた。そう感じさせたのには、ひょっとしたら大きな窓からの眺望も手伝っていたのかもしれない。

 特筆すべきは、8階~9階にある「ヒーリングバーデ」。ここでは5種類ものサウナスペースを楽しめた。サウナといっても低温サウナが多く、サウナの中でも油断をすれば眠りに落ちてしまうほどだ。サウナを満喫した後は、東京ドームシティアトラクションズ(2003年に「後楽園ゆうえんち」から改称)を目の前にしてデッキチェアでくつろぐことができる。

(3)山手線の内側という“地の利”

 第3に、ラクーアの最大の強みは山手線の内側にあるという地の利だろう。東京メトロ後楽園駅から徒歩1分。都営地下鉄春日駅からも徒歩3分。JR水道橋駅からも5分ほどだ。人気があったとはいえ「大江戸温泉物語」のお台場とは、段違いの利便性。他の都心スパもかなわない。

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 加えて、ラクーアには遊園地の他に、東京ドームという集客装置があるのも有利といえる。ただ東京ドームでコンサートが行われている時は一部のスペースで音が聞こえてくるだろう。こうした地の利とビルの高いフロアにあるおかげで、他の都心スパでは味わえない絶景・夜景という大きな価値が生まれている。

オープンデッキからの眺め ©山崎まゆみ

 夕暮れから夜にかけて刻々と変化する空と街並み、そして遊園地の眺めは筆舌に尽くしがたい。温泉と聞くと、どこか田舎を彷彿とさせるが、都心ならではの夜景は見事なギャップとなって、ラクーアの唯一無二の価値となったのだ。

お台場「大江戸温泉物語」は閉館したが…「ラクーア」が都心スパの“覇者”になった3つの理由〈開業20周年〉

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