長らくカーイベントの花形とされてきたイベントコンパニオンたち。華やかな衣装が会場の視線を集めてきたが、近年ではF1のグリッドガール廃止をはじめ、イベントにおける女性の立ち位置には変化が生じている。
実際のところ、イベントコンパニオンとして出演する女性たちは、どのような思いから「見られる仕事」を続けているのだろう。今回は東京オートサロン2023に出展する「TOP SECRET」ブースの「矢沢麻以」さんにインタビュー。
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新しいことに興味を抱く「きっかけ」として
子どもの頃からプロ野球のチアリーダーに憧れがあって、学生の頃もずっとチア部に所属してきました。所沢に住んでいたので、西武ライオンズのチアになりたくて。
大学生の頃はビールの売り子のバイトなどもしていたのですが、あるとき友達から誘われて、イベントコンパニオンの仕事をはじめたんです。それで、20歳のときにライオンズのチアに応募して、夢だった舞台に立つことができました。
チアをやっていたのは1年ほどですが、グラウンドから見る景色は壮観でしたね。それまではずっと、観客や売り子としてスタンドから見ていたので、3万人くらいの視線の中心に立つ経験は、人生のなかでも特別な瞬間でした。
大学を出てからは、一度ヨガのインストラクターとして就職したあと、またイベントの仕事に戻ってきました。昔から車が好きだったこともあり、今度はレースクイーンを目指してみようと思ったんですね。
レースクイーンの仕事をはじめてからは、自然とスポーツカーやレースにも興味を持つようになりましたね。今はラパンに乗っていますが、今後はロードスターとかの走りがいい車に乗ってみたいなと思っています。このGT-Rなんかに乗れたら最高ですよね。
ただ最近は、レースクイーンという仕事に対して色々な意見があって、将来どうなっていくのかが見通しにくいのも事実です。たしかにレースクイーンもイベントコンパニオンも、競技や展示の本筋とは関係ないところではありますよね。
それでも、私たちがこうしたイベントの場に立つことで、その分野に興味がなかった人にとっての入り口になれる面もあると思っています。私自身にとっても、お子さんや女性の方も含めて、プロ野球やレースなどに興味を持つきっかけを作れることが、大きなやり甲斐になっているんですよね。
最近ではSNSや配信活動などを通じて、個人で拡散力を持っている方も多いですし、そうした面でも人を集める役割は担えるのかなと思います。何らかの形でイベントに貢献できて、社会的に存在を認められているうちは、この場に立っていたいですね。
私自身はあと2年で30歳になるのですが、表に出る仕事を長く続ける努力をしつつ、イベントのMCやテレビのリポーターといった仕事でも貢献できるよう、もっと喋りの技術を磨いていこうと考えています。あとは、自分自身も車をチューニングしたりしながら、車に詳しくなって、そういう情報も発信していければいいなと思いますね。
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