長らくカーイベントの花形とされてきたイベントコンパニオンたち。華やかな衣装が会場の視線を集めてきたが、近年ではF1のグリッドガール廃止をはじめ、イベントにおける女性の立ち位置には変化が生じている。

 実際のところ、イベントコンパニオンとして出演する女性たちは、どのような思いから「見られる仕事」を続けているのだろう。今回は東京オートサロン2023に出展する「BYD」ブースの「らいな」さん(TwitterInstagram)にインタビュー。

 

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夢だった芸能活動、それを支える派遣の仕事

 小学生の頃から、モデルになるのが夢だったんです。Seventeenの誌面でキラキラしている新川優愛ちゃんを見て、一目で「この子みたいになりたい!」と思ったのがきっかけでしたね。

 そのときにはまだ漠然とした芸能界への憧れだったのですが、成長するうちに、職業としてレースクイーンを意識しはじめたんです。母が車好きで、車やレースのことを教えてもらううちに、いつのまにか自分でも車やその業界について調べるようになったんですよね。

 

 22歳のときに、レースクイーンの方面に強い事務所に入り、それからSUPER GTやスーパー耐久の舞台にも立たせてもらって。母は「誰にでもできることじゃないよ、すごいね」と、全面的に応援してくれていますね。

 ただ、2年ほど前に少し思うところがあり、一度レースクイーンの仕事を離れたんですよ。「自分の本当にやりたいことって何だろう」と、アイドル活動とか、作品系の被写体とか、フリーランスでいろいろ動いていました。結局、アイドルは「なんか違うなぁ」とすぐに辞めてしまったんですけど……でも、人生一度きりなので、思い立ったことはどんどんやって、自分のやりたいことを見つけていけたらいいと思いますね。

 

 今はモデルとレースクイーンの仕事をしながら、平日は派遣OLとして毎日パソコンに向かっています。収入のバランスとしては、ちょうど半々くらいかな。

 

 芸能系の仕事だけで食べていければ嬉しいですが、完全にこの世界に慣れきってしまうと、普通の生活に戻れなくなるのが少し怖いですね。母からはずっと、「生活水準を上げすぎるな」と教えられてきたので。今後どうなっても、毎日仕事をして一定のお金を稼ぐ感覚は忘れずにいたいです。

 今はレースクイーンの仕事も、先を見通しにくいところがありますしね。私がレースクイーンをはじめた2019年には、すでにF1のグリッドガールが廃止されていて。世の中の流れなので仕方がないと思う反面、憧れていた仕事のひとつがなくなって、寂しさを感じる面もあります。いろいろな考え方があって、私が決められることではありませんし、こちらの立場としては自分にできる仕事を探していくほかないですね。

 

 これからイベントやレースの仕事がどうなっていくのかはわかりませんが、自分としてはとにかく、やりたいことを、やりたいときに思いきりできたらいいなと思います。好きなことを見つけて、無理なく続けていけたら最高ですね。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。