文春オンライン
「身体の中で何かが弾けました」娘を乗せて車を運転中、何も見えなくなり…“医者嫌い”の私がくも膜下出血と診断されるまで

「身体の中で何かが弾けました」娘を乗せて車を運転中、何も見えなくなり…“医者嫌い”の私がくも膜下出血と診断されるまで

『失くした「言葉」を取り戻すまで 脳梗塞で左脳の1/4が壊れた私』より#1

2023/02/21

source : ライフスタイル出版

genre : ライフ, 医療, ヘルス, 読書, 社会

note

鼻血が止まらなくなり…「これはヤバい!」

 旦那が「これはヤバい!」となったのは、それから3カ月ほどが経った2008年2月。夜遅い時間に、私が突然大量の鼻血を出したのです。

 みんなが寝ている時間なので、私は騒ぎ立てたりはせず、トイレに籠もって出血が止まるのを待ちましたが、いつまで経っても止まる気配がありません。暖房のないトイレは寒く、「そうだ、ドライヤーを持ってくればいいのでは?」と閃いたのですが、鼻血が止まらず動けません。ついに貧血になった私は、大声で旦那を呼びました。

 その後は覚えていません。驚いて飛び起きた旦那は、私をトイレから布団まで必死に運んだそうです。失神状態で白目を剥き、いびきまでかいている私を見て、「もうダメかと思った」そうです。その後、なんとか意識が戻って鼻血も止まったのでそのまま寝ました。

ADVERTISEMENT

 寄り目が通常の状態に戻るまでには、半年以上かかりました。両目で見ると四重に、片目を閉じれば二重に見えていたオリオン座も、1年後にはようやく普通に見えるようになりました。

 こうして振り返ると、身体はいろいろサインを送ってくれていたのに、私は無視し続けてきたのですね。

 そして冒頭に書いた通り、2009年11月、雷に打たれたような激しい頭痛に襲われた私は、破裂脳動脈瘤によるくも膜下出血と診断されたのです。

「身体の中で何かが弾けました」娘を乗せて車を運転中、何も見えなくなり…“医者嫌い”の私がくも膜下出血と診断されるまで

X(旧Twitter)をフォローして最新記事をいち早く読もう

文春オンラインをフォロー