Q 急に円が値上がり…乱高下する為替レートで「値下げ」はおこるのか?
ついこの間まで「円安が、円安が」といっていた記憶があるのですが、気がつくと「約3ヵ月で20円以上円高に振れて……」と、景気についての影響を解説するニュースがやっています。
思い返すと、これまでも円安になると「輸入品が値上がりして……」、円高になると「輸出品が売れないから……」と“景気の悪い話”ばかりが印象に残っているのですが、仮にこのまま円高の状態で動きが落ち着いたとして、そこからどのくらいの期間で物価に再び影響がでるのでしょうか。(40代・女性・自営業)
A このところの物価の上昇は「円安のため」と解説されていましたが…
このところの物価の上昇は「円安のため」と解説されていましたから、「今度は円高になったんだから、物価上昇が収まるのではないか。物価が下がるかも……」と思ってしまうのは、当然のことだと思います。
しかし、残念ながら「物価が下がる」ということにはなりそうもありません。物価上昇のひとつの要因はエネルギー価格の上昇です。ロシアのウクライナ侵攻で石油価格が値上がりしたからです。ウクライナでの戦闘が続く限り、エネルギー価格の値下がりは期待できませんから、たとえ少しばかり円高になっても、物価の下落にはつながらないのです。
日本の企業は、これまで商品やサービスの価格を値上げしたくてもできないという状態が続いてきました。それが、「いまならみんなと一緒に値上げしても目立たない」とばかりに値上げラッシュです。そもそも無理して値段を下げていたのを上げただけですから、下げることにはつながらないでしょう。残念ですが。