露天風呂で女性の入浴姿を撮影するなど卑劣な犯行を重ね、“盗撮のカリスマ”ともあだ名された斎藤果林被告(50)が逮捕・起訴された事件。盗撮に関わったメンバーはその後も続々と逮捕され、これまでの逮捕者は計12人に及んでいた。公務員である鹿児島県庁職員など、社会的地位のある堅い職業からも逮捕者が相次ぎ、世間に衝撃を与え続けている。
そして静岡県警が新たに1月24日に逮捕したと発表したのは、諜報機関として知られ、映画「007シリーズ」にも登場した公安調査庁の職員、津田奨太容疑者(31)だ。津田容疑者は2020年3月に兵庫県の当時20~50代女性3人の入浴前後の服を着ている姿を盗撮しようと、入浴施設に侵入した建造物侵入の疑いが持たれている。
前代未聞の「公安調査庁に家宅捜索」
社会部記者が解説する。
「津田容疑者は女性3人に休憩スペースで声をかけ、入浴するように促していました。その後、入浴した女性らを津田容疑者の仲間が約200メートル離れた山林から撮影するという、犯行の役割分担をしていたのです。ちなみに津田容疑者は女性らと会話しながらも、こっそりとカメラを回していて、犯行後に仲間が撮った裸の姿と服を着た姿を見比べて楽しんでいたようです。公安調査のスキルをこんなところで生かされたら、市民としてはたまったものではありません」
結局、捜査する側であるはずの公安調査庁に警察の家宅捜索が入るという、極めて異例かつ、こっけいな事態に発展することになった。
ため息交じりに津田容疑者の逮捕を受け止めているのは、同庁関係者だ。
「津田容疑者は調査第2部の主任調査官です。いわゆるキャリアではありませんが、韓国の北韓大学院大学に長期で出張するなど北朝鮮分野のエキスパートで、専門家としての将来を期待されていた人材でした。“スパイ”といっても、基本的な仕事は、公表資料や報道をもとに状況を分析し資料を作成する役割で、尾行などをやるような現場の人間とは違います。
津田容疑者は酒好きではあったようですが、冷静沈着な性格で、麻雀でもポーカーフェイスを貫き通し、腕も良かったとか。こんなところで、看板に泥を塗ることはして欲しくなかったですね……」