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2006年にも女性に「私の言うことを聞かないと、工場で切り刻まれてミンチにされて殺される」

 荒唐無稽な言説で70代の男が10代の少女に性行為を迫ったという悪質極まりない犯行にくわえ、驚くべきは一夫多妻制を実現すべく婚姻を繰り返した9人の妻・元妻がいることだ。実はこの生活は、今に始まったことではない。

 博仁容疑者は2006年にも、自宅を訪れた女性に「私の言うことを聞かないと、工場で切り刻まれてミンチにされて殺される」「ここを出ていったら命は保証しない」などと脅したうえで、集団生活を強要したとして、脅迫と強要未遂で逮捕・起訴され、懲役1年6カ月、執行猶予4年の有罪判決を受けていたのだ。前出の社会部記者が続ける。

「前の事件の公判では、博仁容疑者は『拘置中に色々と考えて気持ちが変わった』と言い、『同居した女性たちには全員実家に帰ってもらう』『自活の道を選んで彼女たちとは別れる』と集団生活をやめると法廷で約束していたほか、『こんなことは2度とやりたくありません』と反省の弁をとなえていましたが、結局は一夫多妻生活を解消することはなかったようです」

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「夢で見た、女性にモテる呪文の力で若い子たちが集まってくる」

 法廷で述べた悔恨の念も虚しく、執行猶予がつき釈放後も同じ住宅で多くの妻たち、娘2人、息子に囲まれ暮らし続けていたという。警察署へと移送される表情はコワモテそのものだが、彼はどのようにして9人もの女性たちを、順々に洗脳して妻にしていったのだろうか。当時を取材した記者が振り返る。

渋谷容疑者(日テレNEWSより)

「博仁容疑者は『一夫多妻は日本では認められていないから、結婚と離婚を繰り返した。一緒に住む女性たちは全員妻だと思っている』などと説明していました。夢で見た、女性にモテる呪文の力で若い子たちが集まってくるのだと当然のように話していて、唖然とした記憶があります。

 女性を集めた方法は求人と勧誘でした。占い師の助手を募集する求人広告を出したり、同居する妻たちに職場などで勧誘させたりして数をどんどん増やしていったのです。家はカーテンを閉め切り、黒い頭巾を被って水晶玉をテーブルに置いていたとか。本当に不気味でしたね」