死亡時、岡田さんの体重はわずか36.8キロ
小林被告は岡田さんの兄に電話し、「達也の面倒を見ているのだから生活費を払え」「達也が妻と離婚する上で弁護士費用がかかる。150万円払え」「私は達也の子どもを妊娠しているかもしれない。中絶費用を払え」などと言って脅し上げた。
Xは小林被告と共謀し、脅迫にも加担したほか、スパーリングの相手をさせて岡田さんを殴っていたとされる。
「お前みたいな人間、死んだらええねん。逃げたら殺してしまうぞ!」
最後はなぶり殺しにして、敗血症性ショックで死亡させた。岡田さんは病院に搬送されたとき、172センチの身長に対して、体重が36.8キロしかなかったという。
小林被告とXは岡田さんに対する殺人容疑で逮捕されたが、これほど露骨な虐待事件でも「殺意は立証できない」として、傷害致死罪で起訴された。
「傷害致死罪は成立しない」という主張
小林被告は裁判員裁判初公判の罪状認否で、次のように述べた。
「私が恐喝したことはありません。恐喝しようと考えたこともありません。岡田さんの兄と電話しているとき、『達也さんが仕事をしていないから、面倒を見ている』『達也さんと付き合っている』ということは言いましたが、岡田さんが引っ越し費用として100万円を貸してほしいと言っていたので、それを一緒にお願いしたことはありますが、私から現金を要求したことはありません。
岡田さんの兄に岡田さんの悲鳴を聞かせたことはありません。岡田さんを虐待したこともありません。金属製の棒で叩いたことやお尻を蹴ったことはありますが、それ以外の暴行をXと共謀したことはありません。食事制限をしたこともありません。自分に従うようにしたこともありません。岡田さんが亡くなったのは残念ですが、その原因を作ったのは私ではありません」
あらかじめ用意した紙に書かれた文言を読み上げている割にはたどたどしく、抑揚のない声で、あたかも当然のことを言っているかのような態度で堂々と起訴事実を否認した。
一体、どこまで鉄面皮なのか。要するに暴行罪のみで、傷害致死罪は成立しないと言っているのだ。Xですら、「母がやったことは間違いないが、自分は関係ない」と主張している。
今後は事件を見ていた関係者らの証人尋問が続き、3月24日の判決まで15回の公判が開かれる予定だ。稀代の悪女の犯罪が明らかになるのはこれからである。