ホークスの会長付特別アドバイザーに就任して4年目となった城島健司氏。今春の宮崎キャンプにも初日からチームに帯同し、12日に一旦チームを離れた。
このキャンプでは最初は今宮健太内野手に打撃のアドバイスを送ったが、「要点を伝えた。最初は2日間かなと思ったけど、1日で終わりました」と早々に“免許皆伝”。その後は藤本博史監督からのお願いもあり、2年目の野村勇内野手への指導に切り替わり、連日のようにアーリーワークも行って付きっきりだった。
「城島さんが教えてくださる方向性がたまたま同じでした」
野村勇はルーキーイヤーだった昨季、97試合出場で10本塁打&10盗塁を記録。入団1年目の2桁本塁打、2桁盗塁の同時達成はパ・リーグでは1985年の熊野輝光(阪急ブレーブス)以来37年ぶり。さらに10発は球団の新人タイ記録で1939年の鶴岡一人が樹立して以来、じつに83年ぶりに肩を並べる快挙を残した。
しかし、一定の自信を得たものの満足感は全くなく「試合に出たり出なかったり。代走要員という起用が多かったと思っています」と反省。その要因として打率.239と確実性の低さが課題となった。
今季は打率向上に加えて、203打席で64三振を喫しており粘りや嫌らしさの向上も求められる中、ミートポイントの改造に着手しようとしていた。
「バッティングに奥行きがないなと感じたんです。一番前(のポイント)で打っていた。打球は飛びやすいけど、自分がとらえるポイントからズラされると対応できなかった。そうなっても拾えるように、ミートポイントの幅を広げたい。なので、ちょっと呼び込むイメージですかね」
自主トレから打撃改造に取り組んできた中、城島から指導を仰ぐことになった。
「僕がやろうとしていた打撃と、城島さんが教えてくださる方向性がたまたま同じでした」
一体どんなアドバイスだったのか。
城島の教えとは、じつは非常にシンプルなこと。だけど、バッティングの……いや、野球の極意ともいえる考え方だった。