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「出る杭は、メッチャ打たれると知った」引退して会社員に…孤高の女芸人・アンラッキー後藤(45)が語る、“芸能界と一般社会の違い”

アンラッキー後藤さんインタビュー #3

2023/02/26

genre : エンタメ, 芸能

note

——そうなりますよ。

後藤 当時、「うつ病」ってまだ一般的ではなくて、よくわからないけど体が動かない、涙が止まらない。病院に行ったら「精神的にやられてます」「会社を休みましょう」となりました。

 少し休んで、徐々に復帰したらまた仕事が楽しくなってしまって、「あの企画も、この企画もやりたい」と続けてしまうんですけど、成果の出た仕事についてやっかみを言われるようになったときに、このままじゃもう一回落ちちゃうと思って、今度こそ辞めました。

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一般社会と芸能界の違い

——テレビの現場なら、面白いことをした人が勝ちなのに、一般企業ではそうはいかなかった。

後藤 一般企業は絶対違いますね。出る杭はメッチャ打たれます。あと、一般企業は仲間意識があるようでない。熱い人間は空回りするんです。一緒にやろう!というより、個人の成果ですね。

 マスコミって熱い業界っぽく見えるんだけど、熱い個人はいても、コミュニティとしてはまったく熱くない。私は結構熱いので、熱い人が飛び込んでいってもうまくはいかなかったですね。私のコミュニケーション能力不足かもしれませんが。

 

 芸人というのはみんな熱いんです。仲間意識も強いから、芸人時代はすごくそこに救われていました。仕事仲間が大好きだったので、そこにおいては孤独はなかったですね。でも、この「仲間大好き」の感覚を一般企業に持っていっては絶対駄目なんですよ。

——なるほど……。

後藤 最初から一般社会でコミュニケーション能力をちゃんと培ってきていたら、一般企業でも大丈夫だったと思うんです。ただ、早くに芸能界に入って、恋愛とか、変な話、いじめすら一切経験しないで来てしまって、ただただ「仲間!」「熱い!」で来ちゃったから、そのノリは一般企業には無理だったんだと思います。

現在は消防団で活動

——今も編集業はフリーで続けているんですか?

後藤 何もやってないです。今は消防団。消防団に入団して、かなり積極的に訓練、巡回してます。人により温度差はありますが、消防団は、熱いです。一応、子育てをしながら、消防団として活動しています。

——はしごに上っている後藤さんを見られるかもしれないということですよね。お正月に。

後藤 私、積載車も運転するので。子どもが2人居るんですけど、子どもは大興奮ですよ、私が消防車を運転すると。

積載車とアンラッキー後藤さん(本人提供)

——消防車って運転できるんですか?

後藤 消防団の積載車は、普通自動車免許で運転はできますが、普通の乗用車より高さも長さもあります。私は大型と大型特殊まで持ってるので、楽しく運転して巡回しています。大学が土木だったので、一応卒業までにその辺は取っておこうと。あの時取っておいた免許が、今、役立ってます。

——すごい!

後藤 「お母さんかっこいい」って言われます(笑)。