——ステージで面白いことを言ってるお母さんもかっこよかったんですよ。
後藤 今や変なことをやっているお母さんみたいな。上級救命の救命技能も取得しました。皆さんの街にAEDを教えに行きますよ(笑)。子どもが幼稚園に入って、あとはここから高校まで何もなければ、一気に行けるので、私の役目も終わったかな。これ言うと、みんなに「早い」って言われるんですけど(笑)。
——確かに(笑)。でも、消防団をきっかけに少しずつまた出ようみたいな気持ちも芽生え始めている。
後藤 そうですね……。「こちらは青葉消防団です」というアナウンスは立候補してやってるし、ちょっとずつ出たがり精神が出てきちゃったのかな。
芸人時代に培った責任感、求められているものには応えたいという想いからか、困っている人を見ると、すぐに声をかけてしまう。考えるより、即行動。消防との出会いが、今は生きがいですね(笑)。
芸人を辞めて良かったと思うか?
——今思い返して、あの時に芸能界を一度きっぱりと辞めてよかったと思いますか。
後藤 たぶん普通の人よりいろんな人生を経験できたとは思うので。あそこでダラダラして、だんだん売れなくなって「ああ嫌だったな」って思い出が残るよりは、スパッとやめて「もうちょっとやっていたほうがよかったのに」って言われたほうがいいから、辞めてよかったかなと今は思えるかな。当時は「やめたい!」「次のことをやるぞ」ってなっていたので。
——大学卒業後も売れて、いつしか自分の番組を持つような、そういう未来は描けなかったですか?
後藤 そんなに実力があると思えてなかったし、そこまでお笑いというものを知らなかったし。もともと何かになりたいという目標がなかったので。ただ楽しかった、っていう。仲間がいて楽しくて、楽しい現場だからもう一回行こうかなみたいな。今日は仲良しの人いるかな、とか。そんな感じですよ。売れてやろう、みたいなのはなくて。
——ご自身が東京出身というのも、そういう気質に関係あると思いますか? 野心の薄さというか。
後藤 それはあると思いますね。貧乏生活から始まってないから、売れて裕福になろう、みたいな気持ちがないじゃないですか。一軒家を持って、このアパートを出ていくぞ、っていうのが芸人だと思います。だからモチベーションが全然違う。みんな生活がかかっている。
スタートが早かったこともよかったことなのか、それとも、そのせいで野心がないのか。もしもどこかに就職した後に芸人になっていたら、また話は変わっていたのかな。
ウッチャンナンチャンの内村にガチ恋
——過去のご自身の映像を見返すことはありますか?
後藤 しないです。数年前に『ウンナンの気分は上々。』のDVDが再販になるとかで、それは見てみたんですけど。ネタじゃなくてトークでしたが、ちょっと恥ずかしかったです(笑)。
——当時後藤さんは「ウッチャン大好きキャラ」でしたよね。