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「名刺を渡すときに、もともとはここの人間だ、って説明しているから大丈夫」って言ったそうです。
確かにうちの会社は知名度も低いし、中小企業なので、誰もが知る大企業から来た人には、プライドが許せなかったのかもしれません。でも、だからって、「私が上司です」みたいな顔をしてあいさつしてるくせに、前職の名刺を出すのっておかしくないですか?
さすがにみんな呆れちゃって、誰も話しかけなくなって完全に孤立。悪い人ではないんですけど、若手の不満は募るばかりだし、もう、わけがわかりません。
部長待遇さんはなぜ過去にしがみつくのか?
部長待遇さん……かなりの大物です。指摘されてもなお、「大丈夫!」と開き直るぶっ飛び具合は、エリート会社員特有のリアクションでもあります。
常に他者と競争して生きてきたエリート会社員は、おのずと「できる人であらねばならない」と気負ってしまいがち。自分を大きく見せようとすればするほど、周囲からは呆れられ、煙たがられ、嫌われるのに、悲しいかなエリートにはそれがわかりません。「肩書き=自分」という呪縛から逃れられず、つい、本当につい、「過去にしがみつく」という間違った対処に手を染めてしまうのです。
対処の失敗は、さらなるストレスをもたらします。このケースでは「周囲からの孤立」です。実は、宮田さんが珍エピソードを教えてくれた半年後、新情報がメールで送られてきました。
部⻑待遇さんが会社を3日連続で無断欠勤した、と。会社から連絡をしても、連絡がつかない。そこで、家族に連絡をしたところ、「しばらく休ませてほしい」とだけ言われたそうです。