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すでに退職した会社の名刺を配り続ける「元エリート商社マン」のヤバさ「名刺を渡すときに、もともとはここの人間だ、って説明しているから大丈夫」

『50歳の壁 誰にも言えない本音』 #2

2023/02/21

捨てられない名刺=がんばった自分の証

 年齢を重ね“会社員アイデンティティー”が揺らぎ、肉体的にも、精神的にも、社会的にも、それまで当たり前のようにあったモノがだんだんと奪われ、心身も衰えていく現実と向き合うのは、とてつもなくしんどい作業です。自分では肩書きや属性に身を委ねてきたつもりがなくとも、“リトル部長待遇さん”のようなものを、心の奥底に秘めた人は決して少なくありません。

誰もが心に“リトル部長待遇さん”を飼っている。写真はイメージです ©getty

 実際、これまでインタビューした人の中には「肩書き、年収がよかった時代の名刺が捨てられない」ともらす役職定年者がいました。「そんな私はダメですかね?」と卑下する人もいました。

 私は……ダメじゃないと思います。もちろん実際に使うのは、アウトです。しかし、戦利品を大切にすることに、なんら問題はありません。捨てられない名刺を、「机の奥にしまっておく」のは、人間臭さそのものです。机の中心においても、「心の中心=自己」におかなければまったく問題ありません。

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 そして、もし近い将来、自分の存在価値に不安を感じたり、路頭に迷いそうになったときには、「捨てられない名刺=がんばった自分」を見つめてください。そして、自分を褒めてあげてください。「ああ、私は結構がんばっていたんだな」と。その瞬間“リトル部長待遇さん”は消えます。きっと、「うん、まだがんばれる」と自信を取り戻すきっかけになるに違いありません。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

50歳の壁 誰にも言えない本音 (MdN新書)

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河合薫

エムディエヌコーポレーション

2022年12月7日 発売

すでに退職した会社の名刺を配り続ける「元エリート商社マン」のヤバさ「名刺を渡すときに、もともとはここの人間だ、って説明しているから大丈夫」

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