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元舞妓Aさんが告発する“舞妓の貧困”「お小遣いは5000円。貯金を崩すかお客さんと“関係”を持つか」《舞台チケット買取り、名入りうちわ8万円、お舞台出演料…》

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「お風呂入り言うたかて、80、90歳のおじいちゃんやし」

「私が在籍したのは桐貴さんとは違う街ですが、私自身も16歳の頃にはお座敷で飲酒していました。お母さんや姉さんからは『飲んでも酔うな』と言われていましたが、それは無理な話です。酔っているのが見たいお客さんもいますから、そうなると結局は酔うまで飲まされます。

 私のいた街ではお風呂入りは行われていませんでしたが、騒動後に知り合った京都のある街の芸妓さんが『お風呂入り言うたかて、80、90歳のおじいちゃんやし』と笑って話すところも見ています」

 現在、京都には祇園甲部、宮川町、先斗町、上七軒、祇園東の5つの花街があり、これを総称して五花街と呼ぶ。最も格式が高いとされる祇園から親しみやすい先斗町まで、それぞれに特色があることが知られているが、街によって “常識”も異なるようだ。

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※写真はイメージ ©iStock.com

酔客にキスされても「大人は守ってくれない」

「未成年の子が飲酒する場合、ある程度は守ってくれる街もありますが、桐貴さんがいた先斗町さんでは舞妓はんになるとまずお酒をたくさん飲ませて自分の限界をわからせるのだと聞いたことがあります。先斗町さんの舞妓はんが大量のお酒を飲む姿を見て、『私たちはまだマシ』と言い合っていました。

 とはいえ、私たちも16歳で飲酒していたことに変わりはありません。デビューしたての頃はお姉さんがかばって代わりに飲んでくれることもありましたが、先輩の立場になれば後輩に代わって無理して飲むこともありました」

舞妓だった頃の桐貴さん。手にお猪口を持っている(桐貴さん提供)

 Aさんの街では「お風呂入り」と呼ばれる客との混浴は「私がデビューする10年くらい前まではあったらしいが、それも薄っすら聞いたことがある程度だったので、すでに廃れた風習だった」というが、「お座敷でのセクハラは横行していた」という。Aさんが初めて被害に遭ったのは、デビューして間もない頃だった。

「隣に座っている酔っぱらった男性客に、いきなりほっぺにキスされたんです。当時の私はキスどころか、彼氏がいたことすらなく、突然の出来事に唖然としてしまいました。しかしお母さんや他のお客さんたちは男性を諫めるどころか、そんな私を見てケラケラと笑っていました。

 その時、ここでは大人は守ってくれへんのや。自分の身は自分で守らなければあかんねや、と悟りました。あの時の感触は今でもトラウマです」

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