「桐貴さんの告発を見て、自分が舞妓時代に受けた理不尽な仕打ちがフラッシュバックしました。多くの花街関係者は、桐貴さんの話を『妄想で言ってはる』と片付け、決して認めようとしませんが、私は実際に未成年の飲酒やお客さんからのセクハラを目の当たりにしてきました。

 彼女の告発を受けて、未成年の飲酒や、深夜のお座敷への同席を禁じる動きがあるようですが、それもほんの一部。中には『酒が飲めなくなって舞妓はんがかわいそうや』なんて口にする人もいるようです。花街の“本質”は今も変わっていないように感じます」

 そう語るのは、数年前まで京都の花街に舞妓として在籍したAさんだ。

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舞妓の告発に「そのような行為は一切なかった」

《当時16歳で浴びるほどのお酒を飲ませられ、お客さんとお風呂入りという名の混浴を強いられた(全力で逃げたけど)。これが本当に伝統文化なのか今一度かんがえていただきたい》

《旦那さん制度、まだあります。(中略)私は5000万円で処女を売られそうになった》

《身八つ口から手を入れられて胸を触られることも、個室で裾を広げられてお股を触られたこともあります》

舞妓時代の桐貴さん(桐貴さん提供)

 2022年6月、先斗町の元舞妓、桐貴清羽さんが男性客と飲酒する写真とともに投稿したツイートは大きな波紋を呼んだ。桐貴さんは翌7月、文春オンラインの取材に答え、未成年飲酒やお座敷セクハラの実態、「お風呂入り」「旦那さん制度」といった、自身が体験したという花街の悪しき慣習について詳細に語っている。(#1#2

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 当初、舞妓の募集や派遣を行う「おおきに財団(公益財団法人京都伝統伎芸振興財団)」は、この件に関し「情報不足につき回答を控える」と沈黙を貫いていたが、半年が経過した12月、こう表明した。

《元舞妓を名乗る『Kiyoha@物書き』さんが所属していたとされる花街からは、ツイートされた内容について、現在及び在籍していたとされる時期においても、そのような行為は一切なかったこと、掲載されている写真については事実確認が取れていないこと、の報告がありました》

 桐貴さんが告発した内容をなかったものと断じたのだ。

 これに異を唱えるのが、前出のAさんだ。