馬主資格を剥奪されてしまった“青汁王子”
「若手のやり手社長として頭角を現し、“青汁王子”という抜群のキャッチコピーで一気に全国区になった三崎さんですが、絶頂期の2019年に法人税法違反で逮捕されています。1億8000万円を脱税したとして懲役2年執行猶予4年の有罪判決が下りました。JRAには厳格な規定があり、禁固以上の刑に処せられると馬主資格は剥奪されてしまいます」(全国紙社会部記者)
愛馬を手放さなくてはならなくなり、困った三崎氏に手を差し伸べたのが窪田氏だった。
「実は三崎さんが脱税で逮捕された際、保釈の身元引受人になったのが窪田さんだったんです。はたから見ると、2人の間には強い信頼があったように見えましたね。実際、三崎さんは窪田さんにとても感謝していましたし、周囲にも『窪田さんにはお世話になってるんだ』とよく言ってまわってましたよ。だから、馬の買い手に窪田さんが名乗りを上げたことも三崎さんはすごく喜んでいたんですけどね」(2人の共通の知人)
そうして交わされたのは、前述の競走馬3頭を2億4000万円で譲渡する契約だったという。ただ、ここには少しばかり込み入った事情があったようだ。
高額の未払金を残し、譲渡されたサラブレットが上位入賞
文春オンラインが入手したその契約書によれば、もともと窪田氏は三崎氏に7000万円の借金があり、それに加えて競走馬3頭分の代金が1億6400万円、さらにプラスして利息と遅延損害金600万円を支払うことになっている。つまり、窪田氏は三崎氏に対し計2億4000万円の債務を負うという内容の契約だ。
「元からの借金とサラブレッドの代金を24回払いで返していくという契約だったと聞いています。競走馬を引き渡した後、しばらくの間はきっちり入金があったそうです。ところがそれから数カ月後の2020年8月頃、窪田さんからの支払いがぱったり途絶えてしまいました。その時点で、1億5500万円の未払金が残り、現在も支払いはないといいます」(前出・共通の知人)
2023年1月15日に中京競馬場で行われた“GⅡ日経新春杯”では、三崎氏から窪田氏に譲渡された競走馬が話題をさらっていた。“キングオブドラゴン”と名付けられたその馬は見事2着に入り、競馬ファンを大いに沸かせたのである。
「キングオブドラゴンは14頭中の10番人気とあまり人気はありませんでしたが、結果は2着で堂々の大穴ですよ。勝ち馬であるヴェルトライゼンデに最後まで抵抗し、クビ差2着の激走を見せました。ノーマークだったキングオブドラゴンの活躍に会場も揺れていました」(競馬新聞記者)