既存の高品質HMDとの決定的な違い
一方でPS VR2は、既存のPC向けの高品質HMDと差別化ができている面もあります。PCのスペックは個人ごとに全く異なりますから、PCで高品質なVRを遊ぶ場合、消費者にも知識が要求されますが、PS VR2は接続・設定が容易。これは強みの一つでしょう。
要するにPS VR2は、価格的な“壁”はあるものの、(現時点では)他社製品と比べるとスペック的な優位性があり、ハイクオリティーのVRが手軽に楽しめるのです。VRのゲームとしての面白さも進化しており、接続の容易さは抜群。そして、テレビのようにディスプレーとしても使えます。
前世代機の実績もあり、一定数の普及は期待できるPS VR2ですが、さらなる普及のためには、発売後にPS VR2を遊んだ人たちによるSNSの反応が重要と言えそうです。今やスマートフォンがあれば、簡単なVRゲームが遊べる時代です。そしてインフレが進んで生活が圧迫される現在、エンタメに割く消費金額を増やすのは大変でしょう。
しかし、価格だけがすべてを決めるわけではありません。例えば「ディズニーランド」や「USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)」の入場料も決して安いとは言えませんが、常に人気を博しています。それはブランド力に加えて、来場者を楽しませるコンテンツ(アトラクション)があってこそです。
高額なテーマパークの年間パスポートも、興味のない人は買いませんが、魅了される体験があれば価格を度外視して買ってしまうのも確かです。だからこそ、PS VR2でないと体験できない魅力的なコンテンツを生み出せるか……が重要になってきます。