時代は変われど記憶は褪せず、けれども形あるものは消耗していく。旧車の魅力に取り憑かれ、経年劣化すら愛してしまったオーナー達の熱意に迫る!

 今回は、旧車イベント「ノスタルジック2デイズ」出展者のうち、GT-RとAZ-1を維持する「のんちゃんR」さんにインタビュー。

 「世界最小のスーパーカー」ことAZ-1に乗る「のんちゃんR」さん

現行GT-Rオーナーが直面した「旧車とのギャップ」

 小学生のときにグランツーリスモにハマってからというもの、ずっと車が好きでした。ゲームではいつもGT-Rを使っていたので、「大人になったらGT-Rに乗ろう」と思い続けていましたね。

ADVERTISEMENT

 私は三人姉妹の末っ子なのですが、両親としては最後に男の子が欲しかったようで、私だけ男の子っぽく育てられたんですよ。今思うと、おもちゃも男の子が好きそうなものを与えられていたので、グランツーリスモもその流れだったのかなと。

このガルウイングドアがスーパーカーと呼ばれる所以のひとつ

 免許を取ってからはR33を買って、今はメインでR35に乗っています。筑波サーキットの走行会に参加したりして、それだけでも十分願いは叶っているんですけど……。そのうち浮気心と言いますか、個性の違う車にも乗ってみたいなと思うようになって。

走りを楽しむため、内装は至ってシンプルに

 それで2年ほど前に、軽量でパワーを抑えたAZ-1に目をつけたんですね。当時は150万円ほどで手に入りましたが、今はさらにタマが少なくなって高騰してきているので、早めに決断して正解でした。

 家族は誰も車に興味がないので、この車を買ったときは「なんかまた変な車買ったなぁ」というリアクションでした。ひどいことに、「恥ずかしいからアレで帰ってこないで」なんて言われたり。

「ガルウイング」の由来のとおり、カモメの翼のような後ろ姿だ

 散々な言われようですけど、個性の全然違う車を乗り分けるのは本当に楽しいんですよね。ただもちろん、スポーツカーを2台維持するのはめちゃくちゃ大変ですし、とくにAZ-1は年式が古いので、色々と気を遣うところも多いんですけどね。

 実はこれを買ってすぐに、旧車の洗礼を受けてしまって。普段の調子で山道を走っていたら、いきなりエンジンがオーバーヒートしてしまったんです。すぐに工場に入庫しましたが、希少な分パーツがなかなか見つからず、修理には半年くらいかかりましたね。納車後まもなくお預けを食らってしまい、「旧車は普通に乗っちゃいけないんだ」ということを痛いくらいに思い知らされました。

貴重な車種だけに、気を遣いながら上手に付き合っていきたいと語る

 それからはメーターをしっかり確認しながら、ちょこちょこ休ませつつドライブするようにしています。本当に、壊れるパーツによっては直しようがなくなってしまうので、いたわりながら乗っていきたいですね。
 

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。