財源は“パパ活”
杏さんもそうだが、メン地下に大金を貢ぐ少女たちの多くが財源にしているのが「パパ活」だ。杏さんの場合、月平均30万円ほど稼ぎ、その3分の2をメン地下に、残りをホテル代などの自分の生活費に充てている現状だという。
「援交は、歌舞伎町のホテルを転々としている私にとっては、生活のために必要なことなので。ただ、メンタルが不安定なときでも体を売らないといけないから、頑張った自分へのご褒美的な感覚でメン地下に行っています。
もちろん『推しと一緒にご飯デートに行きたい』とかの願望はなくはないです。でも、もともと住む世界が違う人なんだから、そこまで望むべきじゃないなとも思えるんです」
「推しとの恋愛は望まない」という割り切ったスタイルの杏さんだが、ほかのファンたちの不毛なやりとりを目の当たりにしてきたことも影響しているという。推しが被っているファン同士が、「あんたのほうが推し歴短いんだから、しゃしゃんな!」などとTwitterで言い争っているケースも多く、杏さんはそうした争いには巻き込まれたくない、と気持ちを自制するようになったそうだ。
「そもそも私が推しているのは、メン地下のなかではわりと大手に所属するグループの人。事務所側の管理がきつくて、ファンに手を出したら彼が大きなペナルティを受けちゃうから、やらしいことに誘われるなんてありえない。LINE交換も絶対にできないし、Twitterも事務所にチェックされていて、ファンからのDMにもスタンプでしか返事ができないくらいです。
けどたまに、チェキ会で推しから『この間インスタに載せてた写真、めっちゃ可愛かった!』なんていわれると、わざわざ私なんかの投稿を見るために時間を割いてくれてたんだ、と本当に嬉しくなる。それだけで、また毎日頑張ろうと思えるんです」
1000万円以上貢ぎ、大学を休学…「それでもまだ上がいる」
一昨年8月にあるメン地下に惚れ込んだという瑠奈さん(仮名・21歳)は、現在に至るまでに累計1000万円をつぎこんできたという。
「大学進学で東京に出てきたころ、渋谷でビラ配りをしていた推しに出会いました。話し込んでいると、彼は私よりも1コ下でまだデビュー前でしたが、メン地下を目指しているくせに実は自分の顔にコンプレックスがあるとかの弱みを見せてくれて。
私自身も自己肯定感が低いタイプなのですごく共感できたし、『もしデビューしたら、たまに顔を見に来てくれたら嬉しい』って控えめなお誘いだったから、素直に応援したいと思えたんです」