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ボクシング映画を作りたくてスタローンに会いにいった

――シルベスタ・スタローンにもお会いになったとか。

ガッツ 日本に来た時にホテルで会ったね。彼は「ロッキー」を作ったでしょ。私もボクシング映画を作りたくて、どんな感じなのかって聞きに行った。スタローンはスタローンで、デュランと戦った人間だと知っているから、関係者に連絡してもオッケーになる。ウェルカムなの。

――そのボクシング映画が、ガッツさんが監督・主演を務めた1990年の映画「カンバック」ですね。

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ガッツ あの映画にはロバート・フラーにも出てもらったんだよ。テレビでやっていた西部劇「ララミー牧場」に出ていて、俺たちの世代のヒーローだから。そういう風に一つひとつ夢を現実にしていったね。

 撮影中にOKとカットを告げる時、「ララミー牧場」と混ざって出ちゃったのが「OK牧場!」。「OK牧場の決斗」から来たのじゃないの。ここまで定着するとは思わなかったけど、何の場面でも「OK牧場!」とやってたから自然と公用語になっちゃったね。

 

また映画をやりたいなとも思うんだよ

――ガッツさんはボクサー時代は試合後に反省していたとお話しされていましたが、俳優の仕事でも同じだったのですか。

ガッツ 自分の中にガッツ石松像があるから、作品を見て、自分なりに反省していたね。自分が置かれてる立場っつうのをよく把握して、次の仕事にチャレンジしていくことが必要だし、反省は大事だよね。日光さる軍団でもできるんだから。

 誰でも失敗はするんだから。負けるんだから。そこを反省してね。王貞治さんと話した時にも同じだって言ってたね。失敗は自分でわかってるんだから、それを練習で克服する。一流はみんなそうよ。それがプロなんじゃないの。

――今後やりたいことなどはありますか。

ガッツ また映画をやりたいなとも思うんだよ、「終の住処」という。年を取ったら、 どういうところで命を落とすか、どういうところで日々を費やすか。そういうものを作りたいなと思うんだ。

 だけど映画を作るとなるとまた借金をしなくちゃいけない。借金をするにもパワーがいるけど、そういうパワーがなくなってきたね。 

 

――テレビへの出演はどうですか。

ガッツ 内容次第だけれど、今やっているバラエティーに俺がマッチしないんじゃないかな。そこに合わせてやることも必要なんだけど、 そこまで合わせてやる必要もないんじゃねえかっていう。

 ガッツさんの出番はどういうところであるかは自分じゃわかんない。誘う方も世代が違うから、ガッツ石松の魅力がわかんない。ボクシング時代も知らない。

 ただ今の世代の人の番組だから。それは時代だし、それでOK牧場なんじゃないかな。

写真=山元茂樹/文藝春秋 

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