成績でオールAをとったときの“ご褒美ピザ”の思い出
——“ゲーム”というのは?
パックン 例えば勉強。中学生のとき、「成績がオールAならなんでも好きなものが食べられる」という、母と僕だけの“外食ご褒美制度”が始まったんですよ。でも僕は結構勉強ができて、毎回Aをとっていたから、あるときからご褒美はピザにしてもらったんだ。
「毎回高いレストランに行くのも母に悪いな」と思ったし、何より値段も安くてお腹いっぱい食べられるから、ピザのほうがいいでしょ? 普段外食なんてできないから、僕にとっては超贅沢。いま思い返しても人生で一番美味しかったのは、そのとき食べたピザですね。
——勉強が得意だったんですね。大学は、ハーバードへ進学されました。名門中の名門ですよね。
パックン 母との約束のおかげか、成績もずっとオールAで、学校でも優等生グループに入れられていました。ただハーバードに入ったのは、目立ちたかったからかな(笑)。学校でも近所でも、常に目立ちたがり屋な性格だった。
親からも先生からも期待されていたし、みんながびっくりするようなすごい学校に行きたい、とは思っていました。それで、チヤホヤされそうな名門大に適当に願書を出して。
——とはいえ、かなり勉強されたのでは?
パックン いや、新聞配達もずっとしていたし、受験勉強をする暇なんてありません。願書も一夜で書いたから、誤字脱字だらけ(笑)。そんな感じだったから他の学校は受からなくて、奇跡的に通過したのがハーバードでした。
ただ選考は、試験の点数だけでなく人間性を重視するAO入試方式だったから、新聞配達や部活などの課外活動も評価されていたはずです。あとは母子家庭っていうバックグラウンドも多少は考慮されていたんじゃないかな。
ハーバード大学在学時の学費事情
——日本でも、経済力による教育格差は社会問題と言われています。アメリカでは、そういったことはないのでしょうか。
パックン アメリカでも、統計学上は「学歴と所得の比例関係」とか、「親の収入と子供の収入の比例関係」みたいなデータはありますよ。でも経済力がない家庭の出身でも、探せば必ずチャンスはあると思っています。それは日本も同じ。
アメリカの一流大学では、入学審査と家庭の資産は別のものとして考えるんです。優秀な子に入学してもらったほうが、大学にとってもメリットがあるじゃないですか。
——たしかにそうですね。