一国に集中投資をするのを危険と思った人は…
ちなみに、ここで言うお堀とは、参入障壁のことです。
つまり「特別な商品やサービス、ブランドイメージがあって、競合他社がなかなか戦いを挑めないような企業が強い」というわけ。
身近な例でいうと、日本のお笑い界では吉本興業のお堀が深い。ちなみに、僕の顔と同じくらいの堀の深さかな……。
このお堀を持っている強い企業が、S&P500にはたくさん含まれています。
たとえば、スマホを選ぶときは、iPhoneかAndroidのほとんど二択だよね?
だから、ほかの会社がここに乗り込もうと思っても、たぶん勝てません。
で、このアップルとグーグルの両方が、S&P500には含まれています。
とても心強い!
これまで分散投資を勧めてきたから、「えっ? アメリカ一国に集中投資をするのは危険じゃない?」と思った方もいるかもしれないよね。
それは、すごく良い気づきです!
そういう人は、全世界株式のインデックスファンドを選んでもいいと思う!
米ドルベースの資産も持っていると、円安が進んだときに安心
けれど、僕としては、S&P500のインデックスファンドでも問題はない、と思っています。
というのも、S&P500に入っている会社の多くは、世界中でビジネスをしており、世界の経済成長の恩恵を受けているからです。
日本で暮らすみんなの生活も考えてみて。
毎日iPhone かAndroid スマホを使って、Twitter を見て、マイクロソフトのWindows で仕事をして、アマゾンで買い物をして、ディズニーの映画を観て、ナイキの靴を履いて、長距離移動のときはボーイングのジェット機に乗っていますよね?
まずは、アメリカを代表してお礼を言うね。いつもありがとう!
そして、みんなの生活を思い出すとわかるのが、アメリカの商品の消費者が多い日本の経済が成長することは、アメリカ企業の業績にも良い影響を与えるということ。つまり、S&P500に入っている企業自体に地域分散の要素があります。
それに、アメリカのインデックスファンドは世界の基軸通貨である米ドルをベースに運用されていることも魅力的です。
僕がこの本を書いている2022年には円安がかなり進んで、日本円の価値が相対的に下がっているけれど、こういうときに米ドルベースの資産も持っていると安心だよ。